トヨタC-HRのニュル24時間挑戦にル・マン優勝の関谷正徳さんと古場博之さんが緊急対談!

自分で体験しながらC-HRの走りをチューニングした

2016年3月のジュネーブモーターショーで正式発表された、新型クロスオ―バ―カ―のトヨタC-HRは、今年の期待の星だ。トヨタは先の東京オートサロンで「今年のニュルブルクリンク24時間レースに挑戦します」と発表した。WEB CARTOP

「えっ、背の高いSUV系のクルマでニュルのレース?」という驚きの声が上がっている。 その事前発表を東京オートサロンで見ていたトムス・スーパーGT監督の関谷正徳さんは、「これは面白いことになりそうだね」と言う。関谷さんに「C-HRについてはよく知らないけど、楽しそうなカタチだね、どんなコンセプト?」と聞かれたので、さっそくチーフエンジニアの古場博之さんと会場で緊急対談してもらった。

関谷さんは、ルマン24時間レースで日本人として始めて優勝したレジェンド・ドライバーである。当然ながらクルマの評価能力は極めて高い。 チーフエンジニアの古場さんは、自身で様々なレースに出場するアマチュアレーサーでもある。そのクルマ好きの度合いは飛びぬけていて、昨年のメディア対抗4時間耐久レースでは、メーカーの枠を超えた各社のクルマ好き開発エンジニアで結成したチームで、新型ロードスターのハンドルを握っている。

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古場さんが「これまでも、ニュルでの開発テストやドイツの高速ワインディングロードも自分で走って、走りを磨いています」と言えば、関谷さんは「こうしたクルマの弱点は高速での正確なハンドリング。FF(前輪駆動)でしょ、このクルマでうまくいけば、トヨタのFFの走りを大きく変えることになる」と言う。

関谷さんは、こう続ける。 「背の高いクルマに乗りなれると、視線を含めてとても乗りやすい。でもこの手の多くのFFは、荒れた路面や高速でのコーナーでは安定性に欠ける。ニュル24時間レースを走るということは、レースを戦うだけでなく、どんな条件でもキチンと走れるか、ということがリアルにチェックできる。

4輪駆動もあるだろうけど、ベースのFFの出来ですべてが決まるだろうからね」 我が意を得たり、という感じの古場さんは、「ヨーロッパの田舎にいくと、センターラインのない曲がりくねった道路でも、時速100キロ前後でビュンビュン走っていますね。そんなシーンで大切なのは正確なハンドリングです。わずか数センチメートルをコントロールできるクルマが欲しい。自分で体験しながらC-HRの走りをチューニングしていますから、ぜひ関谷さんも乗って評価してください」 話は具体的なセッティングのノウハウになって、2人は意気投合。

ニュルブルクリンクといえば、昨年シビック・タイプRの7分50秒台のタイムアタックが話題になった。750台の日本で限定発売欧州シビックは、10倍以上の申し込みがあって抽選するまでになった。実用車としては「速さ」が最も大事な要件ではないが、ニュル24時間レースは市販車のポテンシャルを計るには極めて面白いレースだ。2016年5月26?29日に行なわれるC-HRのレース展開に期待したい。


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