前年比65.7%! スバルが2016年3月の国内販売を大幅に減らしたワケ

登録車の販売台数は1.5万台弱! スバルに何があった?

 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が、2016年3月のメーカー別販売台数(軽自動車と海外生産車は除く)を発表したとき、業界的には衝撃が走った。販売店から「ショールームに飾るクルマがない」という声が聞こえるほど、好調なイメージだったスバルだが前年比65.7%の1万4483台しか売れていなかったのだ。WEB CARTOP

 スバルの販売は失速してしまったのか……。いやしかし、モデルによってはバックオーダーを抱えているという話もある。果たして、3月に前年比割れをした理由とは? 富士重工業 広報部に質問したところ、その理由は非常に単純だった。日本以上に販売が絶好調で多数のオーダーを抱えている北米市場向けに生産計画を振ったために、日本国内向けの供給が滞ってしまったのだという。

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 あらためて整理すると、現在スバルの組立ラインというのは全世界的に見て、実質的に4本しかない。そのうち3本が日本(群馬県)にあり、残りの1本はアメリカ・インディアナ州にある。レガシィやアウトバックが好調という、北米をはじめとする海外向けの生産が増えてしまい、国内向けが造り切れないという、メーカーにとっては嬉しい悲鳴状態なのである。とはいえ、ユーザーサイドから見ると、納車が遅れてしまうというのは嬉しい話ではない。WEB CARTOP

 だが、安心してほしい。2016年秋に日米でローンチされる予定の新型インプレッサは北米でも生産が始まる予定だ。しかも、それに合わせて、生産ラインが1本増えるという。より正確にいえば、北米の生産拠点である「SIA」には従来から2本のラインが存在した。しかし、かつてのスバルにはそれだけの生産能力を満たすことができず、協業をしているトヨタから北米向けカムリの生産を受託していた。WEB CARTOP

 しかし、新型インプレッサの北米生産に合わせて、いよいよ「SIA」の2本のラインは、いずれもスバル車が流れる予定だ。つまり、日米合わせて5本の生産ラインからスバル車が生み出されることになる。そうなれば、現在の生産能力を超えたオーダーも消化でき、スバルの納車が早まることが期待できるというわけだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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