【輸入vs国産】200万円級コンパクトカー比較テスト (2/4ページ)

高速移動は500とキャストがラク

 フィアット500はそのキュートな内外装デザインだけでも選びたくなるイタリア車らしい1台だが、そのポップさとは裏腹に高速走行は得意。乗り心地はマイルドで路面の継ぎ目を乗り越えても想定外にしっかりしたボディ、足まわり剛性で体に優しいタッチを示す。

 パワステはビシリと引き締まり、直進感に優れるため、長時間の高速走行も難なくこなす。とくにレーンチェンジ時の安定感の高さは特筆ものだ。高速走行で穏やかな性能を示すエンジンは黒子に徹し、100㎞/h走行時のエンジン回転数は約2750rpmだがじつに静か。

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RRレイアウト採用のスマートフォーフォーは、フィアット500ほどではないにしてもオシャレな内外装デザインなど斬新さがウリ。高速ではボディ、足まわり剛性の高さがもたらすフラットで硬めの、より大きなクルマに乗っている感覚のある乗り味、すっきりとしたロードノイズ遮断性能が好ましい。

 とはいえ80㎞/hを超えるとドアミラーまわりからの風切り音が盛大。RRレイアウトのため強い横風にはやや弱い。

 パッソの高速走行はボディの高い剛性感によるクラスを超えたしっかり感ある乗り心地、段差越えでの振動減衰性能はさすが。しかし高速レーンチェンジ、首都高のきついカーブなどのシーンでは前輪のインフォメーションが不足気味で、アップライトなシートの高さから腰高感が目立ってくる。

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立派な顔つきと16インチタイヤ、MOMO製本革巻ステアリングが自慢のキャストスポーツの高速性能はほとんど目からウロコ。ほかのキャストもそうだが、高速直進安定性、横風安定性に優れ、660㏄ターボの軽自動車にして、横風の強い日でも追い越し車線をカッ飛んで直進できる実力の持ち主。

 このスポーツならレーンチェンジ時の安定感も上級スポーツセダン並みなのだ。エンジンを回さない領域なら静粛性も高く、ロングクルーズでも疲れにくいのが意外。

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N‒ONEの高速走行性能は優等生そのもの。特筆すべき点はないものの、静かで安定感に優れ、しっかり直進する。乗り心地はしっとり感もあり、軽自動車のレベルの高さを実感させられる1台。が、N‒ONEはターボに限る。NAだと動力性能はギリギリ。
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 ではエンジン性能についてまとめてみよう。パワー的に穏やかながら、セミATでその実力をいかんなく発揮するフィアット500、スムースさが光るDCTのスマートフォーフォー。その気になればパワフルで痛快なパフォーマンスを発揮してくれるキャストスポーツがベスト3。

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パッソはあくまで実用に徹したエコユニット。N-ONEはエンジンに特徴なしといったところだ。

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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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