【70年代のF1マシン】最高のサウンドをもつV12も作ったイギリスの名門BRM (2/4ページ)

トニー・サウスゲートが手掛けたコンベンショナルなマシン

1970 BRM P153・BRM P142 2998cc 60゜V12

 前年まで渋いトーンのブリティッシュグリーンに包まれていたBRMだが、70年代に入り完全なニューマシンを投入したのに合わせて、ヤードレイ化粧品をタイトルスポンサーに迎え、白地にゴールドと赤、黒のストライプが映えるカラーリングに一新されていた。

前年までのP139から一新されP153と命名されたニューマシンは、トニー・サウスゲートがデザイン。70年に主任技師としてBRMに迎えられたサウスゲートにとっては、BRMでの初作となった。局面で構成されたモノコック、いわゆる“下膨れ”のボディシェイプは特徴的だが、それに組み付けられたサスペンションは前後ともにアウトボード式のダブルウィッシュボーン・タイプ。

1970_brm-p153

サスペンションアームもパイプで組まれていて、サウスゲートがすべてを設計した最初のマシンらしく、ずいぶんとコンベンショナルなパッケージとなっていた。70年シーズンの開幕からペドロ・ロドリゲスとジャッキー・オリバーのコンビで参戦し、第4戦のベルギーではロドリゲスが、チームにとっては66年以来、ロドリゲスにとっても67年以来となる優勝を飾っている。

コンストラクターズカップでは6位に留まったが期待は高まった。そして実際、改変モデルのP160で戦った翌71年には、常時3台が出場。コンストラクターズカップ2位に進出している。一方シーズン半ばにロドリゲスが事故で死亡、代わってエースに昇格したジョセフ・シフェールもシーズン後に事故で死亡するなど、悲しみに満ちたシーズンでもあった。ドニントンGPコレクションにて撮影。


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