【祝スカイライン60周年】歴代モデルを振り返る③「7代目から9代目」 (1/3ページ)

ラグジュアリー路線に転向した7代目から不遇の9台目まで

 スカイラインの60周年を記念して歴代モデルを振り返る本企画。第1弾の初代から3代目第2弾の4から6代目に続き、いよいよ昭和から平成に移行する7代目から9代目が登場する第3弾をお届けしたい。

⑦7代目 R31型(1985年-1990年)

 7代目スカイライン、通称7th(セブンス)スカイラインは、「都市工学スカイライン」というキャッチコピーで、1985年に登場。いわゆるバブル経済がちょうど膨らみ始めた時期で、サイズが大きく、高級志向のクルマのニーズが高まり、スカイラインもトヨタのヒットモデル、マークⅡが火をつけたハイソカーブームに乗り遅れるなと、ラグジュアリー路線にまさかの転向……。

 初年度は、4ドアのみの設定で、スカイラインファンから大ブーイング。1986年からクーペモデルが追加となる。

シャーシは、例によってローレル・レパードと共通だったが、エンジンは第一世代のGT-Rの象徴だった、直列6気筒DOHC4バルブエンジン(RB20DET)が復活。HICASやダイレクトイグニッション、可変吸気マニホールド、プロジェクターライト(量産車世界初)など、ハイテク満載のクルマでもあった。

 また、グループA参戦のためのホモロゲーションモデル、GTS-Rを限定800台で販売したり、限定200台のGTSオーテックバージョンが登場したり、トミーカイラから国産初の公認チューニングカーのコンプリートモデル、トミーカイラM30がリリースされたりと、限定モデルで注目を集めた。

 しかし、ハイソカー路線と走りのキャラクターの融合は、二兎を追う者は一兎をも得ずとなり、ビジネス的には不成功に終わる。当時の日産の迷走を象徴している面もあるが、このR31の大ゴケが、名車R32、そしてGT-R復活の原動力となる。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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