【WRC第11戦】シトロエンのミークが勝利! トヨタはハンニネンが4位に

ヤリスWRCはターマックでの進化を確認

 2017年のWRC第11戦「ラリー・スペイン」が10月5日〜8日、スペイン北東部のカタルニアで開催。第10戦のドイツから7週間のインターバルを経て、シーズン唯一のミックスサーフェス戦を迎えた。

 6日のデイ1はグラベルステージで争われるなか、3台のヤリスWRCを投入するトヨタ陣営は「午前中はトラクション不足に悩まされた」とトミ・マキネン代表が語るように苦戦の展開。ファーストループのベストリザルトはヤリ-マティ・ラトバラの総合8番手で、ユホ・ハンニネンが9番手、エサペッカ・ラッピが12番手に沈んでいる。

 しかし、「昼のサービスでセッティングを変更したことで状況がかなり改善された」とマキネンが語るように、SS4でラトバラがベストタイムを叩き出すなど、セカンドループでは復調。それだけにトヨタ陣営の追走が期待されていたのだが、予想外のハプニングが発生する。「SS5でいくつかミスしていまい、その後にオイルが漏れていることに気づいた。SS6を前にエンジンが止まり、始動できなくなった」と語るように、ラトバラがSS6を前に突然ストップ。エンジントラブルでそのままリタイヤにすることとなったのである。

 この波乱のデイ1を制したのはヒュンダイでi20クーペWRCを駆るアンドレアス・ミケルセンで、Mスポーツでフォード・フィエスタWRCを駆るセバスチャン・オジェがわずか1.4秒差の2番手、シトロエンでC3WRCを駆るクリス・ミークがトップから3秒差の3番手でデイ1をフィニッシュ。一方、トヨタ勢の最上位はハンニネンの8番手で、ラッピが10番で競技初日を走り終えた。

 翌7日のデイ2はターマックステージに舞台を移してラリーが開催。この日もデイ1を制したミケルセンがSS12でクラッシュを演じるほか、2番手まで浮上していたヒュンダイのダニ・ソルドが同ステージでクラッシュを喫し、戦線を離脱するなど脱落者が続出するサバイバルラリーが展開された。

 そのなかで、デイ2を制したのがシトロエンのミークで、オジェが2番手、オジェのチームメイト、オット・タナクが3番手でデイ2を走破する。一方、注目のトヨタ陣営も躍進しており、デイ1を8番手で終えていたハンニネンがSS8、SS9でベストタイムをマーク。その結果、「ターマックのほうが速く走れると思っていたけれど、予想以上のタイムで走れた」と語るようにハンニネンが4番手に浮上する。同時に「ターマックではこれまででもっとも良い仕上がりだった」と語るようにデイ1で10番手に出遅れていたラッピも好タイムを連発しており、6番手でデイ2をフィニッシュした。

 そして、ターマックで行われたデイ3では上位陣のポジションは変わらず、ミークが今季2勝目を獲得するほか、オジェが2位、タナクが3位でMスポーツの両雄が表彰台を獲得した。

 一方、トヨタ陣営は「路面の変わり目で、クルマが予想以上に滑ってしまった」と語るように、6番手につけていたラッピがSS15でクラッシュを喫し、リタイヤするものの、「安定した走りを心がけた。結果には満足している」と語るハンニネンが4位で完走。ヤリスWRCのターマックでの進化を証明した。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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