【試乗】3列目でも十分快適! マツダCX-8は脱ミニバンを本当に可能にするクオリティ (2/3ページ)

大柄ボディを思いどおりに操れるハンドリングと大トルクエンジン

 室内の操作系については直近に新世代が登場したCX-5と多くを共通とし、運転席サイドには走行情報系とその操作を、センターパネルでは快適さや便利さをコントロールしたり選んだり……という機能を分けて集約したデザインと操作性がシンプルで使いやすい。さらにL-Packageにはレザーシートにナッパレザーを採用しているのも特徴だが、内装の一部に本木目を使用している点に注目した。

マツダCX-8

 近年の新世代モデル登場以来、本物の木を使うのは初めてなのだとか。最近は良くできたフェイクが多様かつ主流ながら、やはりリアルなシットリ感や温もり的な質感が伝える感覚も大事。でもここで一番伝えたいのは、マツダのこれ見よがし感のない、さり気ない採用の仕方だ。そのスマートな考え方もこのデザインの魅力だと思うし、今のマツダらしさではないかと思えたのだ。

マツダCX-8

 その点では効率の良い、これ見よがしではない質実にこだわったパワートレイン選択も特徴だ。CX-8には2.2リッターディーゼルターボ+6速ATという動力が最有力ならぬ、“最良力”だったのだろう。車重1790kg(2WD)〜1890kg(4WD)に人や荷物を積み、しかもCX-8はじつは欧米でスタンダードな牽引フックを取り付け小型ボートも運べる。という実演も試乗会場では用意されていた。

マツダCX-8

 日本でもジェットスキーなどを運ぶ姿を最近見かけるけれど、欧米では小型ボートやモトクロスバイクと一緒に移動するのは珍しくない。というワケで、450N・mのトルクを優先し、こちらで走っても楽しい動力づくりをしているのがCX-8なのだ。厚みのあるレスポンスにも優れたディーゼルエンジンのトルクを活き活きとした走りに生かすことができ、それは運転好きでなくても思いどおりに動力をコントロールできるクルマの扱いやすさに繋がっている。

マツダCX-8

 それはハンドリングも同様だ。ハンドルを握る手応えやシートから伝わる挙動、アクセルペダルの踏み込みなどから、車格を感じさせる少し重さを伴うしっかり感が同様の反応として入ってくるのがわかりやすく、気持ちいい。そこでドライバーは運転中も必要以上、操作に気を遣うことはなく安心で楽ちん。無駄な操作の低減にはGベクタリングコントロールの効果もある。

 だが、ハンドルを操作してからリヤタイヤがコーナーを通過するまでの一体感が強いのはボディとサスペンションセッティングが功を奏しているのはまちがいない。ロードスターのようなクイクイと曲がるタイプではないものの、決して背の高い大ぶりなボディをコントロールしているという印象はない。

マツダCX-8

 余談だが、エンジンには音や振動を抑える、急速多段燃焼という新たな燃焼コンセプトがCX-8で加えられている。マツダのディーゼルエンジンといえば、これまでもナチュラルサウンドスムーザーやナチュラルサウンド周波数コントロールなどさまざまなアイディアが取り入れられてきた。マツダのエンジンへのこだわりは、性能向上のみならず、快適さに繋がる技術の改良が“モトから絶つ”まだまだ進化を続けているのだった。


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