現代に蘇れば成功間違いなし! 復活が待ち望まれる国産名車5選 (2/2ページ)

小型ハッチにガルウイングという組み合わせのクルマも

3)日産プリメーラ

 とりわけ異彩を放つ存在として強い印象が焼き付いているのは初代P10型。当時の日産が「1990年代までに技術の世界一を目指す」ことを掲げた、いわゆる901運動の申し子のようなクルマで、アウトバーンでの高速巡航を前提としたようなガチガチのサスペンションセッティングと鋭敏なハンドリングなど、国産5ナンバークラスのセダンらしからぬトンがった乗り味が大いに魅力的だった。WRXやランエボのようなスポーツモデルではない実用セダンとしては、いまだに操縦性の切れ味は歴代国産車最強ではないかと思える。ただ鋭く曲がるだけでなく安定性も高かった。

 故・前澤義雄さんが日産のチーフデザイナー時代に手がけたエクステリアもまた、傑作との誉れが高い。欧州車テイストに溢れながらも模倣やコピー的な雰囲気は感じさせず、パッケージングも含めて、いまだ小型実用セダンの模範的なデザインとして通用する部分が多々見られ、今、新車で売られてもそれほど違和感がないと思わせるほど色あせていない。前澤さんが絵を描く際に強く意識したという「時間的耐久性」の高さを雄弁に証明する作品だ。

 2代目はやや没個性化したものの、丸みを帯びて3ナンバー化した3代目は国産車離れした内外装デザインが特徴的で、国内外のさまざまなデザイン関連の賞を受けている。

 セダン&ワゴン市場の冷え込みもあって3世代で断絶したが、シルフィとティアナの間を埋める、あるいはそれらに代わるスポーティな実用セダンとして復活すれば、国産セダン市場も加熱するに違いない。新世代の痛快な走りが堪能できる「e-POWER」のパワートレインを搭載するスポーツセダンがあれば、是非乗ってみたい。

4)トヨタ・セラ

 1990年、小型ハッチバック車なのにドアがガルウイングという、いかにもバブル期の商品企画っぽい派生車が登場した。空前にして絶後のおもしろ国産車として、これもクルマ雑誌のリメンバー企画のレギュラーメンバー的な存在となってすでに久しい。

 先日、とある高速道路のサービスエリアで久しぶりにセラを見かけ、オーナーさんと意見交換を交わす機会があったのだが、今見ると信じられないほどコンパクトなサイズなのに(全長3860mm、全幅1650mm)、スーパーカーのようにドアが真上に動いて開く姿はやはり圧巻! 

そしてルーフのガラス面積の大きさにもあらためて大きな衝撃を受けつつ、こんなトンがったデザインの国産小型車が存在する事実に感激した。同時に、ドアの開閉時に周囲の人の目を釘付けにするオーラは今もなお健在であることも実感。やはり、ガルウイング(正式な呼び名の議論はさておき)的なドアは、時代を超えて老若男女を惹きつける威力がある。

 操縦性や燃費性能、使い勝手などの基本性能が軒並み一定以上の高い水準に達した今こそ、こういう遊び心に満ちた小型車が再来してほしいと思った。

5)ダイハツ・アトレー7(トヨタ・スパーキー)

 軽ワンボックスのアトレーの全長を伸ばして3列シートを詰め込んだ小型ミニバン。実際には定員の7人でフル乗車するような機会はほとんどなくても(期待されずとも)、積載性の高い軽のワンボックスに、軽の約2倍の排気量を持つ余裕のあるエンジンを積むバンは業務用として多方面で重宝された。

 生産期間は4年で、1世代限りで終わったクルマにしては現存個体が多く、生産終了から13年が経った今も街でちょくちょく見かける。オーナーさんに話を聞くと「コレに代わるクルマがないので」と困り顔をされることが多い。スバルのドミンゴなどでも同様の声をよく耳にするが、生産終了から13年が経ち、地味ながら、軽の7人乗りバンの需要が再び高まりを実感することが増えたので、そろそろ復活の頃合いではないだろうか。

 商用ベースのワンボックスベースも良いが、それらと互角か見方によってはそれ以上に積載性の高い超ハイトワゴン系の軽自動車に1.3リッターぐらいのエンジンを積んだ仕様があれば、アトレー7/スパーキーに乗り続けているユーザーの受け皿となるのはもちろん、超ハイトワゴン系軽自動車の動力性能に不満を抱いている層を掘り起こせるかも知れない。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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