【試乗】中国車なのに高い完成度! 日本未発売のセダン「LINK & CO 03」に乗った! (1/3ページ)

現地人も驚く車両価格は約190万円から

 LINK & COというブランドを知っている日本人は少ないだろう。僕自身初めてこのブランドロゴを目にしたのは2〜3年前の中国・北京でのことだった。スタイリッシュでお洒落なイメージのロゴは、まるでジュエリーブランド「TIFFANY & CO」のようで、いわゆるパクリ系の新ブランドかと思っていた。

 ところが、その後訪れた北京モーターショーで中国自主ブランドの新型車の車名であることがわかった。ここのところ中国車は、とくにデザインの面で飛躍的な進歩を見せていた。国産では法規や販売力などが深く考慮され保守的なデザインに落ち着いてしまいやすいが、中国車のデザインは前衛的で斬新だ。LINK & COが登場させた「01」や「02」モデルもまさにそんなスタイリングの魅力を見せつけていた。

 そのLINK & COが、ついに日本上陸を果たす! というBIGニュースが飛び込んできた。しかも富士スピードウェイを貸し切り、ワールドプレミアムを大々的に開催するという。しかし不思議な事にCARトップ本誌はもとより、日本のどの自動車専門誌媒体にも案内状などの類いは届いていないようだった。そこで僕自身が中国の自動車メディアで活動してきたルートを通じて詳細を取材し、ワールドプレミアへの招待状を手にすることができたのだ。富士スピードウェイを2日間貸し切るということは、新型モデルを走らせる可能性も高い。

 やがて国内の代理店となったアシュトン・コンサルティングから届けられた案内状には「テストドライブ」という時間枠があることが判明し僕はヘルメットとレーシングスーツを準備して富士スピードウェイへと向かった。

 通常ならパドックへ入り会場となるピットブースへ入るものだが、この日は東ゲートからすでに入場が制限されておりシャトルバスでパドックへ。どうやらレーシングコースだけでなく富士スピードウェイのほぼ全域を貸し切っているようだ。

 全ピットおよびスイートルームが完全に貸し切られ、屋台のフードサービスが並べられている。やがて観光バス5〜6台が入場してきて中国メディア総勢320名が降り立つ。ものすごい規模に舌を巻くばかりだ。

 各ピットブースはショールームのように、さまざまなグッズがディスプレイされている。LINK & COはウェアやサングラス、シューズなどファッションアイテムも取り揃えていて、何のブランドだかわからないという路線を狙っている。

 そして新型モデルがピットロードに並べられているが、商品説明も技術説明もなく、いきなり試乗テストドライブが始まった。僕はそそくさとレーシングスーツに着替えヘルメットを着用し1番目にテストドライブさせてもらえることになった。中国人マネージャーから「あなたは特別だから1台で走行して良いし、速度もコントロールしてくれていいですよ」とありがたいお言葉。

 とはいえクルマがFFかAWDなのかもわからず、エンジン排気量もパワースペックも何もわからない。先導車として富士スピードウェイのセーフティカー・レクサスRCが先を走ることになっているようなので、ドライバーにペースを早めるよう頼んでコクピットに乗り込んだ。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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