話題沸騰の「e-POWER」のパワーでバカ売れする日産ノート&セレナに潜む弱点 (2/2ページ)

ライバルと比べて物足りなさを感じることも……

 なんだかいいことだらけのようなe-POWERだが、それは「充電を気にすることなくどこまでも走れる電気自動車の新しいカタチ」のe-POWERそのものについて、とも言える。個人的にセレナやノートe-POWERを試乗する際、ワンペダル機能をチェックするとき以外、ワンペダルはほぼ使わない。つまり、エコモードより明らかに加速性能、アクセルレスポンスが向上する、より自然に走れるノーマルモードを選んでしまう。例の「ギューッ」が、ボクの個人的な減速の感覚、好みに合わないからだ(個人の感想です)。

 もっと言えば、2016年デビューのセレナのファミリーミニバンとしての完成度は高いが、2012年デビューのノートは基本設計がさすがに古い。e-POWERのパワーを借りても(!?)デザインや乗り心地、先進安全装備などが最新か? 最高か? と問われれば、「そうでもない」と答えるしかない。

 そして、基本的な安全運転支援機能は用意しているものの、ノートではそれが上級グレードのみのOPであり、日産ではインテリジェントクルーズコントロールと称するACCの作動域が約30〜100km/hと渋滞追従せず、上限速度も時代遅れ。

 セレナに用意される同一車線半自動運転のプロパイロットの作動上限速度にしても、高速道路の制限速度が引き上げられつつある今、依然114km/hまでなのが残念なところ。国産他車の多くのACC作動設定速度は、今や130〜180km/hなのである。

 とはいえ、充電せずにメイングレードでJC08モード34km/Lもの燃費性能を誇る、EV感覚の走りが楽しめるノートe-POWER(またはセレナe-POWER)にものすごく興味がある、ブレーキを踏まずに「ギューッ」と減速・停止できるワンペダルがどうにも好き、ノートXグレード基準で、e-POWER仕様が約50万円高の価格に納得できるならオススメです。個人的な理想は、いつしか出るはずの新型ノートe-POWER。プラットフォームから新設計&e-POWERは、かなり期待できると思います。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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