【試乗】トヨタ新型RAV4は本格アウトドア派にもオススメ! なんと3つもある4WDシステムを試した (3/3ページ)

ハイブリッドは高速域でもリヤモーターがアシストする仕組み

 2リッターガソリンモデルにはさらにコンベンショナルなカップリング方式の4WDシステムの設定もあり、低価格での4WDモデル提供も実現している。

 このグレードはもっとも軽量な4WDモデルであり、運動性能の高さはアドベンチャーグレードに勝るとも劣らないものだった。

 最後にHVモデルに試乗した。新型RAV4に搭載されたのはカムリと同じ2.5リッター直4ダイナミックフォースガソリンエンジンと組み合わされるHVシステムで、さらにリヤアクスルにも駆動用モーターを搭載するE-Fourとして構成されている。

 前後輪が分離され独立した駆動力を持つE-Fourシステムはプリウスにも搭載され、雪国を中心に高い支持を得ているが、新型RAV4のE-Fourシステムはさらに大幅に強化されていた。それはプリウスE-Fourでは後輪モーターを発進から4070kmhまでの速度範囲の作動に制限していたのに対し、RAV4はV-MAX(最高速度180kmh)までリヤモーターが駆動するのだ。高速域でも4WDで走れ走行安定性面でも極めて効果的になっている。

 実際走り始めるとモーターのトルクピックアップに優れ、2リッターガソリンモデルで感じたCVT特有のもたつき感やトルク不足感は一切感じない。加・減速の応答性が高く運転しやすい。加えて4WDらしい安定性と高い踏破性も兼ね備えている。E-Fourの前後駆動力配分は前2080を基本に変動していてステアリングの応答性を高め旋回時の好特性を引き出そうとしている。

 システム全体重量が重くなるので重厚感があり、足まわりの固さとのマッチングもいいようだ。加えてEVモードで走行音も静かだ。モード燃費も2リッターガソリンモデルを凌駕していて販売面ではHVモデルが圧倒的に有利になりそうだ。

 トヨタはC-HRの販売で大成功を収めたがその実、販売面ではHVモデルに人気が集中しガソリンモデルの販売には苦戦したと聞く。

 今回はガソリンモデルにのみアドベンチャーグレードを設定し、新たなダイナミックトルクベクタリング4WDを奢り、しかも価格的にもHVより競争力を高めた設定を行っている。その戦略が機能してガソリン/HVの販売比率を理想的にコントロールできるかにも注目していきたい。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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海外巡り
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クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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