なぜ日本車が増殖? 自動車大国アメリカのタクシー事情が変わったワケ (2/2ページ)

今話題のライドシェアリングではどうか

 一方、アメリカでは近年、タクシーの需要が急激に下がってきている。ライドシェアリングの影響だ。いわゆる“白タク”として、個人が所有するクルマをタクシーのように有償目的で使うこと。それが、ライドシェアリングである。日本では、公共交通機関が極めて少ない状況にある交通空白地域、または福祉用として、白ナンバーでの有償運行が認められている。

 しかし、アメリカのように、ごく普通の人がアプリでドライバー登録して、自分のクルマでタクシーのような商売を始められるような状況ではない。アメリカのライドシェアリングでは、ウーバーとリフトが大手で、全米のほとんどの地域で利用できる。

 では、ライドシェアリングでも日本車が多いのだろうか?

 実際に全米各地でウーバーやリフトを使ってみると、ある傾向があることに気付く。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなど西海岸では、やたらとプリウスが多い。ラスベガスでも、プリウスが多いとは思うが、ホンダ・アコード、ホンダ・シビック、トヨタ・カローラなどアメリカで売れ筋の日本車が目立つ。一方、シカゴなど中東部になると、アメリカメーカーのSUVが目立つようになる。

 日本車は全米で売れているのだが、地域によって販売比率に差があり、それがそのままライドシェアリングのクルマの日本車比率に反映されているのだ。タクシーからライドシェアリングへと旅客サービスは進化しても、やはり日本車の人気の高さは変わりないようだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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