異なる4WDシステムを設定! 運動性能にトコトンこだわった新型トヨタRAV4のメカニズム (1/4ページ)

タフな用途に応える力強さと優れた環境性能を両立する

 RAV4のパワートレインは2L自然吸気エンジンと、2.5Lハイブリッドの2本立てとなる。それぞれFFと4WDが設定され、合計4タイプのラインアップだ。2Lエンジン(M20A-FKS)は、トヨタの新世代型となる「ダイナミックフォースエンジン」。レクサスUX200に搭載されているユニットと基本的には同じだが、トヨタの車種には初搭載となり、RAV4用に専用のセッティングを施したものだ。

 エンジンは直噴式で、低回転でのトルク特性に優れる、ボア×ストローク比が1.21となるロングストロークタイプ。熱効率は40%を実現している。ロングストロークに合わせて吸気ポートの形状とバルブ挟み角を最適化することで、燃焼室内のタンブル比を高め、熱効率が高い領域を低回転から中速域にまで拡大することに成功している。また、ロングストロークエンジンではピストンの昇降速度(ピストンスピード)が高くなることから、フリクション抵抗や振動を低減すべく、ピストンスカートの表面処理、ピストンリングの断面形状最適化(オイルを掻き取りやすい形状に変更)、クランクシャフト全体でウェイトバランスを取るフルスパン解析なども行っている。

 2Lエンジンに組み合わされるトランスミッションは、無段変速機のCVTに発進用ギヤを加えたダイレクトシフトCVTだ。CVTはエンジン効率のいい回転数を維持したまま車速を変えられるのがメリットだが、あらゆる車速に対応するためにはCVTの変速範囲(変速比幅)を拡大する必要がある。そうすると、フリクションや伝達効率の点で、CVT自体の効率の悪い領域を使うことになるため、せっかくのエンジンの高効率性を生かせない。

 そこで変速比幅を中速〜高回転側に合わせ、低速側にはギヤを加えた。発進時から60km/hあたりまでの車速では発進用ギヤを使い、そのあとCVTに切り替える。加速・減速時ともに車速やアクセル開度に応じて、ギヤとCVTをスムースに切り替える仕組みだ。CVTはシームレス変速に加え、10速のマニュアルモードを装備。シフトレバーでマニュアル変速が可能で、ベルト・プーリー部の小型化と制御の改良により、変速の応答性を向上させている。

 2.5Lハイブリッド(A25A-FXS)は、こちらもトヨタの新世代型となるダイナミックフォースエンジンに電気モーターを組み合わせたもの。カムリやレクサスES300hに搭載されているユニットと共通だ。ボア×ストローク比が1.18となるロングストロークタイプの直噴エンジンで、高効率吸気ポートにより吸入空気量をアップし、タンブル流を強化。熱効率は41%に到達している。ハイブリッドに組み合わされるトランスミッションは、マニュアルモードを備えた電気式無段変速機の6速シーケンシャルシフトマチックとなっている。

 ドライバビリティを向上させるエンジン制御としては、2Lエンジン車、2.5Lハイブリッド車ともに、エンジンの出力特性などを任意に変更できる「ドライブモードセレクト」を装備。ダイヤルまたはボタンスイッチにより、「ECO/SPORT/NORMAL」の3つのモードを切り替えることができる。

 ECOモードでは電子スロットルの特性を穏やかにするほか、エアコンの稼動状態も制御し、燃費を向上させる効果が大きくなる。SPORTモードでは、アクセルレスポンスや加速性能を向上させ、ステアリングの操舵フィーリングもスポーティになる。また、4WD車ではディスコネクト機構を休止させ常時コネクト状態になる。NORMALモードは燃費と走行性能のバランスに優れ、さまざまなシーンでのドライブに対応する。運転状況に応じて、最適なモードに設定できる。


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