あまり走らない人には割高の可能性も! ディーラーのメンテナンスパックのお得度とは (1/2ページ)

車両販売以外でディーラーの貴重な収入源になっている

 多くの新車ディーラーが単に新車を販売するだけでなく、アフターメンテナンスを請け負うために整備工場を併設しているのはみなさんご承知の話。新車販売の不振傾向が長引き、そのなかでもライバルメーカーとの販売競争は相変わらず激しいので、熾烈な値引き合戦が依然として展開されている。

 ディーラーは新車販売だけでは十分な利益を上げることができず、定期点検や法定点検、車検などのアフターメンテナンスや物品販売の収益に依存する傾向が目立っている。

 その顕著な例がメンテナンスパックなどというものといえよう。ディーラーの貴重な収益源であるアフターメンテナンスだが、車両維持費をよりシビアな目で見る軽自動車やコンパクトカーのユーザーなどを中心に、割高イメージの強いディーラーでのメンテナンス費用を嫌い、ガソリンスタンドや格安車検業者など外部業者を利用するケースが目立っている。

 そこでアフターメンテナンス客の“囲い込み”を狙い、一定期間内の点検にかかる費用をあらかじめ一括で前払いするメンテナンスパックを勧める。ユーザーにとっては割安となり、ディーラーとしてはメンテナンス客を囲い込むことができるのがメリットだ。

 メーカー系ディーラーによってパッケージ内容は異なる。その中にもいくつか種類が設けられているが、たとえば初度車検到来まで(初度車検は含まない)納車後の1カ月、6カ月の無料点検、12カ月、24カ月の法定点検が組み込まれる。さらに18カ月と30カ月の任意点検について、所定の油脂類や部品交換と点検整備を一括払いのパック料金化することで、割安感を高めている。

 “前払いすることで割安”とはなっているが、気をつけてもらいたいのが、18カ月と30カ月の任意点検も入っているということ。文字通り任意なのでこれらの点検は必ずしも受ける必要がない点検だ。それが含まれていることを考えると手放しで“お得”というわけでもない。

 今どきはウインドウの撥水処理などを割安で設定するディーラーも多く、メンテナンスパックを新車購入時に申し込んでおけば、一定期間内は原則新たな支払いは発生しない。しかし、点検に持ち込んだ時についついオプションとして撥水処理を選んでしまうことも多い。

 ディーラーとしては店頭に足を運んでもらう機会を増やし、その際に物品販売や、時期を見計らって新車への代替え促進を行おうともしているのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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