あまり走らない人には割高の可能性も! ディーラーのメンテナンスパックのお得度とは (2/2ページ)

ユーザー自身がメニューを吟味し取捨選択することが大切

 ちなみにメンテナンスパックを申し込んだものの、その有効期間内に新車へ代替えした場合には、未使用分については払い戻しが可能となっている。

 またメーカーによっては残価設定ローンを組むと、メンテナンスパックが付帯されるところもある。ローン完済後には自分のところで当該車両を引き取り再販するので、車両の状態を管理しやすくし、コンディションをよりベストな状態で保ちたいという配慮もあるようだ。

 メンテナンスパックには、オイル交換及びフィルター交換が含まれるのが一般的だ。しかし、あまりクルマに乗らないというケースでは、交換時期がきたとしても本来のオイル交換の目安となる走行距離を満たしていないケースも稀にある。そのため、フィルター交換も含めて“もったいない”と感じるケースもあるようだ。

 商談時にはセールスマンの説明が大原則だが、見積りにメンテナンスパックが自動計上されるケースがほとんど。そのまま計上しておくと、見積書のデータをベースに注文書が作成されるので、注文書にも計上されたままとなる。

 稀にセールスマンの十分な説明がないために計上を見落としたり、セールスマンの説明があったが、その場では“割安になるのなら”と納得したり、新車を買うというウキウキ感からセールスマンの説明が上の空のまま契約してしまうこともあるかもしれない。そうすると、あとから「これはなんだ」ということにもなりかねないので、契約時には面倒だと思っても内容は細かくチェックしてもらいたい。

 走行距離が伸びる人にとってメンテナンスパックは魅力的な商品となる。しかし、あまり距離が伸びない人にとっては、メリットが少ないと思えるパック内容もあるので、加入時にはパック内容を吟味して加入するかしないかは判断してもらいたい。いまや少子高齢化が進み、高齢化によりクルマを手放すひとも多い。そのため、ディーラーとしては新車への代替え促進の前に、車検などの点検入庫の減少も顕著になっている。メンテナンスパックでの囲い込みだけでは間に合わず、他メーカー車も歓迎として飛び込み車検入庫も積極的に行うようになっているのが現状だ。

 ディーラーでのメンテナンスが割高に感じられ、外部業者が割安に思える大きな部分として、作業工賃の違いがある。またディーラーは全般的に過剰な印象の強い作業メニューが目立つ。メンテナンス窓口を外部業者にするか、ディーラーにするかは個々の判断に委ねたい。だが、安易にメンテナンスパックに加入せず、ディーラーに点検入庫するたび見積り段階で「これはいらない」などメニューを吟味していくと、ディーラーでのメンテナンスもそれほど割高イメージは感じないはずである。業者任せではなく、ユーザー主導で車両管理することで、窓口がどこであろうがそれは大きく問題にならないはずなのだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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