10年以上改良なしの放置プレー車も! 4年ごとが定番だったフルモデルチェンジのサイクルが伸びているワケ (2/2ページ)

- 名前:
- 山本晋也
- 肩書き:
- 自動車コラムニスト
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- スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
- 趣味:
- モトブログを作ること
- 好きな有名人:
- 菅麻貴子(作詞家)
今回、あえてトヨタのラインアップに絞ってピックアップしたが、他のモデルを見てもヴィッツを除くと、ライバル不在のモデルが多いことに気付くだろう。
信頼性を重視して考えればランドクルーザー(200系)のライバルは世界的に見ても存在しない。86についても、このクラスの手頃なスポーツカーは数少ない。ポルテ/スペイドも直接的なライバルは思いつかないほどユニークなモデルだ。
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競争相手が不在であれば、法規対応などの課題がない限り、あえてフルモデルチェンジをする必要はないというわけだ。そして長寿モデルになると原価面でのメリットも大きい。メーカーの原価というのは明示されることはないが、ある程度の台数を売ってしまえば、金型なども含めた初期の開発費は回収でき、そこから先は利益率が高くなる傾向にある。画像はこちら
フルモデルチェンジによる商品力アップの必要性がなければ、小変更によって新鮮味を維持しながら売り続けるというのはメーカーにとっては“おいしい話”といえる。
とはいえ、長寿モデルというのはメーカーの手抜きというわけではない。たとえば、上に挙げたラインアップでいえばプレミオ/アリオンはマイナーチェンジにより先進安全装備「トヨタセーフティセンス」を装備している。画像はこちら
開発の時期を考えると、こうした装備を追加するのは電子プラットフォームなどから難しい面もあるはずだが、しっかりと現行モデルに求められる機能を満たしている。画像はこちら
結果として、ユーザーは最新の機能を持ったクルマを買うことができるわけで、デビュー年次が古いからといって不満を覚える必要はないのである。