メーカー指定どおりで本当に問題ない? 最近クルマのエンジンオイルの交換サイクルが伸びている理由 (2/2ページ)

指定よりも早く交換した方がいい「意外な」ケースも!

2)オイルの質が向上した

 最近はオイルに対する性能要求も増え、品質が向上していることから、劣化しにくくなっている。オイルも限りある資源から作られるわけで、規格としてもロングライフは重視されている。ただしそれを反映しているため、価格は上がっているうえに、鉱物油は少なくなっている。

3)ブローバイの処理が変わった

 走り好きの方なら、ブローバイはご存知だろう。燃焼室から漏れる未燃焼ガスで、これがオイルに混ざって汚れとなる。従来は単純に、それを一旦抜いてまたシリンダー内に戻していたが、最近ではより積極的にブローバイガスを抜く、「クローズド方式」と呼ばれるシステムが主流になっている。詳しい仕組みは割愛するが、これだとエンジン内部をきれいに保つことができ、オイルも汚れにくくなる。もちろんエンジン精度の向上で、ブローバイ自体の吹き抜けも減っている。

 以上、大きくはこの3つとなるが、注目したいものに「シビアコンディション」というのがある。これはその名のとおり、ハードな使い方をするケースを指し、その場合は指定の半分での交換が推奨されている。シビアコンディションというと悪路を走ったり、高速で走り続けたりというイメージがあるかもしれないが、じつは「近所のちょい乗り」や「渋滞」といったよくある走り方も含まれるので、注意が必要だ。

 また輸入車、とくにドイツ車勢は3万km毎の指定だったりして驚かされるが、これは単純にオイルの量が多いということも理由として挙げられる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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