フランクフルトショーが驚きの規模縮小! ドイツメーカーが苦悩する電気自動車の政治利用 (1/2ページ)

今回のフランクフルトショーは縮小開催ともいえる事態に

 今回のIAA(フランクフルトショー)では、日系ブランドではホンダのみの出展となった。ほかにもフレンチブランドも全滅(PSA系のドイツブランドであるオペル除く)、韓国系もヒュンダイブランドはブースを構えたが起亜ブランドはブースを構えなかった。いつもはひっそりとブースを構えていた、インドのマヒンドラ&マヒンドラ傘下の韓国サンヨンの姿もなかった。

 このような出展者の減少を受けて、使用する展示棟を前回より減らしても床が埋まらなかったのか、前回では軒並み2階などにブースを構えていた、サプライヤーが1階にブースを構えた。そのためサプライヤーブースのなかに完成車ブースがパラパラあるという感じの展示棟もあった。

 今回のフランクフルトショーの「縮小開催」とでもいうべき事態の原因は、何も日系ブランドなどの相次ぐ出展とりやめだけではなかった。いつもは地元開催ということもあり、グループ全体で1棟まるまる借り切るなど、かなりの物量で攻めて存在感を見せるメルセデス・ベンツやBMW、VW(フォルクスワーゲン)の各グループが、いずれも展示面積の縮小を行っていたのだ。

 ドイツ系ブランドの圧倒的な物量(展示面積や発表する新型車の数など)の前では、それ以外のブランドは自分たちがブースを構えて新型車を発表し展示しても、情報発信力が弱いとの声もあったし、ここのところのオートショー出展への「選択と集中」傾向が顕著となっていることもあり、ドイツ系以外のブランドの出展取りやめは理解できる部分もある。しかしドイツ系ブランドの縮小展示は意外であった。

 ドイツ系の動きの背景のひとつに、ここのところの欧州での自動車産業への風当たりの強さがあるだろう。数年前に起きた複数ブランドによるディーゼル不正問題で、まずディーゼルエンジンを見る目が厳しくなり、それがきっかけで環境保護団体を中心に自動車への風当たりが強くなってきているのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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