初めてのSUVでも乗りやすいよう徹底的にこだわった! マツダCX-30のチーフデザイナーが込めた思い (2/3ページ)

自分たちが信じたものを自身を持って提供する

──中国市場にはCX-4がありますが……。

 柳澤:CX-4はCX-5の車台を使っていて、そこにアクセラのようなリヤオーバーハングを持たせているので、かなり全長が長くて幅も広いんですね。CX-5よりも大きいです。CX-4は中国大陸のような所ですと良いのですが、日本では大きすぎて使い勝手が悪くなるので、そんなに台数が出ないんじゃないかと思いますね。それに対しCX-30は、日本の道路や駐車場の事情にしっかりフィットしたサイズになっています。

──CX-30はグローバルで販売するのでしょうか?

 柳澤:はい。日本と欧州は駐車場が狭いので比較的ニーズが近いのですが、北米は道路が広いのでCX-30はローエンドになるんですね。日本でいうところのリッターカーくらいの位置付けですので、免許取り立ての人か奥さまのセカンドカーとして乗られることが多いです。中国が貧富の差が激しいので一概には言えませんが、若い人たちに乗っていただけると思います。中国には見栄の文化があり、大きい方が立派という考えですので。

──中国はジェネレーションギャップが大きく、内装色はネイビーブルーが若い方に人気だったようですが、それはクリニックで明らかになったのでしょうか?

 柳澤:それはクリニックではなく、営業部門からネイビーブルーが人気だったという話を聞いた結果ですね。以前フォード傘下だったころはクリニックをしていたのですが、今は「あれはもう意味がない」と考えていますので。自分たちが信じる形を作るのが一番だと。

──でなければ、これだけ主張の強いデザインはできませんよね。

 柳澤:ウチは前田(育男常務)を筆頭に、すごく強い想いを持って作って、それをお客さまに提供しています。それを本当に良いと思ってくれるお客さまと手をつなぎたいと思っていますので、誰にでも……と万人向けのデザインはしない考えです。ですがそのなかでもCX-30はパッケージングをしっかり作っていて、かつデザインを両立させていますので、マツダ車のなかではかなり広いお客さまにサポートいただける商品になったと思います。いまCX-5がマツダの屋台骨ですが、CX-30はそれに次ぐ二番目の屋台骨に育てたいですね。

──ボディカラーの設定の考え方は?

 柳澤:基本的にはマツダ3と同じボディカラーの展開ですが、当社の工場で持っている色を幅広く展開しています。そうしているのは、さまざまなライフスタイルに合わせられるように、そしてとくに女性の方は色への感度が高いので、多くの色から選べるように……というようにしています。基本的な白・黒・シルバー・グレーをしっかり持ちながら、ブランドカラーのソウルレッド、ライフスタイルカラーのポリメタルグレーを設定しています。

──そのなかでも、マツダさんらしい、よりエレガントに見せられるような色を選んでいるのでしょうか?

 柳澤:そうですね。クルマの美しさを一番見せられるのがソウルレッドだと思っていますので、まずソウルレッドをメインカラーに推して、ポリメタルグレーはライフスタイルカラーとして、ソウルレッドとは違った意味での格好良さを出せるので、そのふたつをフィーチャーしていこうと思っています。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
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