クルマの電動化を望むのはメーカーだけ? 世間で言われるほど売れない電気自動車の行方 (2/2ページ)

多くのユーザーはパワートレインにこだわりがない?

 日本国内の販売状況でも2019年度上半期における日産リーフの販売台数は9244台。同時期の乗用車(軽自動車を除く)の販売台数が142万台余りであるから、やはり比率でいうと0.6%程度に過ぎないのだ。つまりEVシフトの動きは活発だが、実際にはそれほど売れていない。

 では、環境意識の高いユーザーが声高に叫んでいるだけで、実際にはBEVは売れていないし、将来的にもシェアは拡大しないのかといえば、そうとは限らないだろう。まず、多くのユーザーがエンジン車にこだわっているとは思えない。現時点では航続可能距離などでエンジン車のほうに利便性があるといえるので、BEVへの移行は目立っていないが、ハードウェアの進化次第で一気に流れが変わる可能性は否定できない。

 たとえば、カメラはかつてフィルムを使っていた。デジカメが登場した当初はおもちゃのようなものでプロユースはフィルムが残り続けるといわれていたが、実際はどうだろうか。プロ機もデジタルに移行したのは、ご存じのとおり。いまやフィルムを見たことがない若者ばかりとなっている。さらにいえばスマートフォンの普及もあって、単機能のカメラ自体を所有するということさえ、過去のものとなりつつある。

 デジカメとBEVを同一視することは適切ではないだろうが、少なくとも多くのユーザーにとって、フィルムへのこだわりがなかったように、それほどエンジンへのこだわりもないと考えるのが妥当だ。利便性とコストのほうがパワートレインへのこだわりより上位にくるだろう。

 まして、クルマは所有するものからシェアリングに移行するとも予想されている。そうなれば、ユーザーの好みでパワートレインを選ぶこともなくなる。その際にエンジン車が主流のままなのか、BEVに移行しているのかは定かではないが……。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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