「アウト・イン・アウト」は過去のテクニック? レーシングドライバーが解説する本当の意味とイマドキの走り方とは (2/2ページ)

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マシンスペックの低かった時代に生まれたテクニック

 一方でRを大きく取れば同じコーナーを抜けるのに長い距離を走ることになる。その分を差し引いても十分に速いことが確実であるなら「アウト・イン・アウト」が有効であることに疑う余地はない。ただ車速が速くなり走行距離が長くなればタイヤにかかる負担は大きくなる。仮に1周2kmのコースをアウト・イン・アウトに徹して走ると、2.3kmほどの走行距離に増えてしまうとすれば、周回数を多く走る耐久レースなどでは考慮しなければならない。

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 古くからアウト・イン・アウトが有効とされてきたのは、旧い時代のレーシングマシンはタイヤのグリップが低く、ブレーキ性能も貧弱でエンジンのドライバビリティも悪く一度速度を低下させてしまうとリカバリーに時間がかかったため、コーナーでの速度低下を嫌っていたと考えられる。小さなRで旋回しようとするとハンドルを大きく切り込まなければならずタイヤへの負担も増してしまう。

 しかし現代のレーシングマシンはブレーキも強力、タイヤもタフでハイグリップだ。エンジンは低速からトルクフルでピックアップもいい。となるとわざわざ長い距離を走る必要がなくなってくる。加えて4輪駆動車ならトラクション性能も高く、一気に加速できる。むしろ車速を落として小さなRのラインを取り距離で稼ぐ走法も十分にコンペティティブであるといえるのだ。ドラテクの基礎ライン取り画像はこちら

 そこでサーキットごと、コーナーごとに路面グリップの特性を掴み取ってライン取りを決めていくことが望ましくなった。以前のようにアウト・イン・アウトだけに固執していたら競争力を高められない。サーキット走行は奥が深いのだった。

中谷明彦
名前:
中谷明彦
肩書き:
レーシングドライバー/2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
現在の愛車:
マツダCX-5 AWD
趣味:
海外巡り
好きな有名人:
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ
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