パワーからエコへ! 時代とともに移り変わる「ターボ」の役目とその歴史 (2/2ページ)

し烈なターボ戦争を経てダウンサイジングターボの時代へ

 日本では、ターボのもつ過激なイメージもあり、認可がなかなか下りなかった。もちろん技術的な問題もあったが、1979年の日産セドリック/グロリアに採用されたのが日本車初。ただ、当時の認可に対する名目は、燃費とドライバビリティの向上のためで、スポーティといった表現は避けられた。

 しかし、これをきっかけに1980年代はターボ戦争となっていく。いわゆるキャブレターと組み合わせたドッカンターボで、インタークーラー装備やインジェクション化などで、どんどんと過激化。1990年代半ばまで続くことになる。

 その後、2000年前後に環境や燃費の問題が出てくると、スポーツカーとともにターボは続々と姿を消すことになる。残されたのは軽自動車とインプレッサなどのほんの一部のスポーツモデルだけとなった。まさに不遇の時代といってよく、残されたターボモデルも過激な走りはなりを潜めてしまった。

 ターボが今一度、見直されたのがダウンサイジングエンジンの登場によってだ。欧州で先行していて、2007年に日本で発売されたフォルクスワーゲンのTSIは1.4リッターながら、ターボとスーパーチャージャーを組み合わせた二段過給で170馬力を実現していたのは衝撃だった。それでいて、燃費も14km/Lとよく、ここでまたターボの有用性が示された形となり、ダウンサイジングに欠かせない装備となって今に続いている。

 今後はダウンサイジング用だけでなく、電動ターボも含めて、ち密な制御との組み合わせで、スポーツカーへの採用も再び進む可能性も捨てきれない。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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