【コストにシビアな運送業界なのになぜ!?】最近のトラックが鉄チンではなく価格の高いアルミホイールを履く理由 (2/2ページ)

軽量化による燃費向上が大きな理由

 乗用車の場合はドレスアップ要素が多分にあるが、トラックやバスといった商用車は、見た目もないわけではないが大きなポイントではない。その目的は走行性能にある。もともとトラック用のアルミ鍛造ホイールを市場に出したのはアルコアで、1948年のこと。当初はあまり普及していなかったが、今やデザイン性を向上させたモデルも含めて多数ラインアップしている。

 具体的な理由はというと軽量化で、まずはいわゆるバネ下重量の軽減だ。資料によれば、大型車のスペアを含む11輪をアルミホイールにすると約157kgの軽量化で、燃費は3パーセント以上の向上が望めるという。

 ブレーキへの負担も軽減されるので消耗スピードが遅くなる。ほんのわずかでも日々走り続ける商用車ではかなりの差になるから、大きなコスト削減になるというわけだ。そのほか、乗り心地やハンドリング向上によるドライバーの疲労軽減や、積載量の増加も見込めるなど、とにかくメリットは多い。

 最近では特殊処理して、撥水性をもたせたホイールもリリースされていて、これを使用すると日頃行なう洗車の手間も省ける。ホイールをきれいにするというのは納品先の印象もあるし、最近は人手不足ゆえ、できるだけ新型できれいな車両を用意しているのをアピールすることも多いだけに、ホイールがピカピカというのはじつは重要なポイントなのだ。

 しかし、アルミホイールといえば気になるのは価格の高さ。これも、燃費向上などのおかげで、早ければ3年でペイできるのでとくに問題とならない。さらに最近では商用車用タイヤの軽量化も進んでいて、じつは商用車の足まわりは大きな変化が起きているのだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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