【電気自動車は大して売れてない!】それでもガソリンスタンドが減少し続けている理由 (2/2ページ)

減少傾向は今後も続いていく可能性が高い

 日本ではエンジン車の販売禁止という政策は出てきていないが、世界的にみると将来的なエンジン車の販売禁止を謳っている国や地域は少なくない。最近ではイギリスが2035年に乗用車においてエンジン車を販売禁止にすると宣言したことが話題だ。

 このようにエンジン車が減っていく流れにあっては、ガソリンスタンドというビジネスの将来が明るいとはいえない。ビジネス的には現在の設備の減価償却が終わったら、新規投資をせずに徐々に終了させていくという判断がなされることになるだろう。そうしてガソリンスタンドが減って、燃料インフラが間引かれていくと、家庭で充電できるEVの利便性が評価されることになる。そうしてEVなどプラグイン車の販売が増えていけば、ますますガソリンスタンドは減っていくという負のサイクルが見えてくる。

 ただし、希望がないわけではない。現在は、CO2の排出量を減らすことに躍起になっているが、CO2を回収して再利用するというテクノロジーの開発も進められている。そのなかにはCO2から炭化水素を生み出そうというものもある。つまり人工燃料の生成だ。再生可能エネルギーなどを使い、エネルギー収支比として成立する人工ガソリンが実現すれば、CO2排出的にいえばカーボンフリーとなる。そうなればエンジン車は消えないであろうし、人工ガソリンを販売するガソリンスタンドが増えていくという未来も考えられる。

 もっとも、欧州におけるエンジン車の販売禁止についてはCO2排出だけでなく、都市部における大気汚染対策という側面もある。いくら人工ガソリンを使ってカーボンフリーを実現しても、NOxやPMによる大気汚染の課題が残ると考えると、やはりエンジン車に明るい未来は見えない。すなわちガソリンスタンド・ビジネスが盛り上がることも考えづらいのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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