発表と同時に超絶人気のトヨタGRヤリスの中身とは! モータースポーツファン必見のラリーコンセプトも並ぶ【大阪オートメッセ2020】

3ドアボディのヤリスはワイドトレッド化!

 2020年2月14日(金)より16日(日)までインテックス大阪で開催中の「第24回大阪オートメッセ2020」。5号館にブースを構えるトヨタガズーレーシングは、発表から2週間で約2000台もの先行予約を得るなど大きな注目を集めている「GRヤリス」をメインステージに展示している。

 GRヤリスはGRスープラに続く、トヨタガズーレーシングが展開するスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第2弾。そして、2017年より参戦復帰したWRC(世界ラリー選手権)のノウハウを注ぎ込み、その絶対王者となるべく豊田章男社長自らが開発の命を下した、新たなWRCマシンのベース車となるホモロゲーションモデルだ。

 エンジンは専用開発のG16E-GTS型1.6リッター直列3気筒ターボで、272馬力&370N・mを発揮。これに6速MTと、電子制御多板クラッチで前後駆動力配分のきめ細かな制御を可能にした新開発のフルタイム4WD「GR-FOUR」を組み合わせて搭載。リヤサスペンションはダブルウイッシュボーン式に変更されており、これに伴い、現状では新型ヤリス唯一となる3ドアボディも、5ドアに対しワイドトレッド化された。

 なお、フロントフード、左右ドア、バックドアはアルミ製、ルーフはCFRP(炭素繊維強化樹脂)製として軽量化。バッテリーをリヤに配置するなど前後重量配分にも配慮している。

 さらに、このGRヤリスを機に、元町工場内に専用ライン「GRファクトリー」を新設。少量多品種生産に対応するとともに、スポーツカーには不可欠な高剛性化と高精度な組み付け作業を可能にしている。

 2020年1月10日に先行予約受付を開始したのは、いずれも先行予約限定モデルだ。「RZファーストエディション」は、カタログモデルの「RZ」をベースに、マットブラック塗装のラジエターグリル、フロントサイドディフューザー、リヤスポイラー、リヤバンパー、デュアルエキゾーストパイプを装着。

「RZハイパフォーマンスファーストエディション」はさらに、前後トルセンLSD、冷却スプレー機能付き空冷インタークーラー、BBS製鍛造アルミホイール、ミシュラン・パイロットスポーツ4S(RZファーストエディションはダンロップSPスポーツMAXX 050)などを装着し、走りのポテンシャルをより一層高めている。

 今回のオートメッセでは、このGRヤリス「RZハイパフォーマンスファーストエディション」を、「エモーショナルレッド2」のボディカラーでメインステージに展示している。これは、ガズーレーシングのイメージカラーが白・赤・黒の3色であることを示す狙いがあるとのこと。またこの「エモーショナルレッド2」は、黒みが強く抑制の効いた赤であるため、先行予約された約2000台の中では比較的高齢なユーザーにも人気があるようだ。

 このほか、車高調整式サスペンションやダート用タイヤ、ロールケージ、フルバケットシート、四点式シートベルトなどを装着した「GRヤリス ラリーコンセプト」も展示。この車両では左右ドアトリムにもCFRPが採用されており、自動車メーカーならではの本気度を感じる仕様になっていた。

 開発スタッフに聞けば、このラリーコンセプトは「GRヤリスのポテンシャルを評価するために作られたもの」とのこと。また「GRヤリスには、WRCのホモロゲーションモデルを第一義としながらも、サーキットレースを含めた他のモータースポーツやスポーツドライビングでも勝つことができ、楽しめるクルマとして提供することも大きな使命となっている」ため、さまざまなチューニングパーツや競技用部品の販売も「検討中」というから、今後の幅広い展開を大いに期待したい。

 このGRヤリスは予約順に生産されるとともに、2020年6月30日までの先行予約者特典として、

1)WRCジャパンのチケットや特別応援席など特別な体験
2)メールアドレス登録で、開発秘話など納車待ちの間にスペシャルコンテンツを配信
3)GRヤリス オリジナルミニカープレゼント

が用意されている。さらに大阪オートメッセ限定特典として、姉妹誌「GRマガジン」最新04号が配布されるとともに、GRヤリスの実車をゆっくり確認できる「Touch the GR YARIS」も開催されるので、このチャンスを逃す手はない!

【主要諸元】

<トヨタGRヤリスRZハイパフォーマンスファーストエディション>

全長×全幅×全高…3995×1805×1460mm
ホイールベース…2558mm
車両重量…1280kg
乗車定員…4人
エンジン形式…直列3気筒DOHC直噴ターボチャージャー
エンジン型式…G16E-GTS
排気量…1618cc
最高出力…200kW[272ps]
最大トルク…370N・m[37.7kgm]
トランスミッション…6速iMT
駆動方式…4WD
差動装置…スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”(トルセンLSD×2(フロント、リヤ)+電子制御多板クラッチセンターデファレンシャル/4WDモードダイヤルスイッチ(NORMAL/SPORT/TRACK))
サスペンション(前/後)…マクファーソンストラット式/ダブルウイッシュボーン式
ブレーキ(前後)…ベンチレーテッドディスク
タイヤ(前後)…225/40ZR18/225/40ZR18
車両本体価格…456万円


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
好きな有名人
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