ルーツはモータースポーツにあり! MINIの「ジョン・クーパー・ワークス」とは (1/2ページ)

伝説のレーシングカーコンストラクターの名前が由来

 イギリスを代表するモデルであり、自動車史に燦然と輝く「MINI」というクルマ。現在はBMW傘下のブランドとなっています。そのラインアップはベーシックなミニからクロスオーバータイプまで幅広く展開されていますが、いずれのボディ形状にも「ジョン・クーパー・ワークス」というモデルが存在しているのをご存じでしょうか。

 ハイパワーエンジン、それに合わせて引き締められたシャシー、空力やクーリングを考慮したエクステリアや、スポーツドライビングをサポートするインテリアなど、マシン全体でレーシーに仕上げられたのが「ジョン・クーパー・ワークス」です。

 そのルーツはOLDミニとも呼ばれる初代ミニに存在していた「ミニ・クーパー」にあります。日本では「ミニ・クーパー」という車名だと思われている節もありますが、基本的には「ミニ・マイナー」という車名でした。そのクルマをベースに、イギリスの伝説的レーシングカーコンストラクターであるジョン・クーパー氏が手掛けたのが「ミニ・クーパー」。つまり、エボリューションモデルの名前なのです。

 ちなみに、ジョン・クーパー氏が伝説と言われるのは、いまや当たり前となっているミッドシップレイアウトのレーシングカーを生み出したことにあります。その革新的なレーシングカーは1959年、1960年のF1グランプリで、コンストラクターズ・タイトルを獲得したほど。現在のミッドシップレーシングカーのルーツとなりました。

 とはいえ、ミニ・クーパーが伝説となったのはレースではなくラリーシーンでの活躍です。1964年、1965年、1967年のモンテカルロラリーにおいて名だたるスポーツカーを押さえての総合優勝は「ミニ・クーパー」という車名を喧伝、車両全体を示すと思ってしまうほど印象的な名称として広まりました。

 ミニ・クーパーはツーリングカーレースでも活躍します。もともと848ccだったエンジンは、クーパーS仕様では1275ccまでスープアップされました。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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