頑張っても日本で売れないアメ車の悲しい歴史! 貿易摩擦解消を目指すも返り討ちにあったモデルも (2/2ページ)

日本でのアメ車の販売台数は極めて少ない

 一方、日本ではアメリカに対してアメ車の輸入制限をしたり、関税を高くするといった方針は取っていない。ところが、日本でアメ車の販売台数はアメリカでの日本車販売台数の数百分の一と、極めて少ない。

 こうした状況に対して、アメリカ政府は長年に渡り、非関税障壁という言葉を使って日本を非難してきた。要するに日系自動車メーカーや自動車販売企業、さらにはマスコミや地方行政機関らによるアメ車排除の動きがあるのではないか、という発想だ。もちろん、そんなことはない。

 要は日本人が好むアメ車は、たとえば80年代にブームとなったシボレーアストロやジープチェロキー。90年代後半から2000年代初頭に流行ったハマーH2。さらには、定番としてコルベット、エスカレード、エクスプローラー、カマロなど。最近ではジープラングラーが躍進といった、大型で個性があるアメ車が売れるのだが、マーケットとしては小さい。

 一時、アメリカ政府としてはより多くのアメ車を日本で売りたいと考え、日本のマスマーケットである小型セダンや小型クーペに向けて、アメ車メーカーの日本進出を後押ししたことがある。

 モデルとしては、GMのサターン、ダッジのネオンが代表格だろう。だが、新車価格、クルマとしてのクオリティ、さらに下取り価格で日本車とはまったく勝負にならず、あえなく撤退。欧州フォードが手掛けたフォーカスは、価格やクオリティの面では善戦したが、フォード全体としての収益が見込めず日本法人としての撤退となったことが、記憶に新しい。


桃田健史 MOMOTA KENJI

-

愛車
トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
趣味
動物たちとのふれあい
好きな有名人
聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

新着情報