メディアが騒ぎ立てるほど「絶望的」ではない? コロナ禍におけるタクシー業界のいま (2/2ページ)

満員電車を避けるため一定の利用客は確保できると予想

 タクシー事業者も、営業所(車庫)の敷地が賃貸となれば、家賃なども発生して状況はよりシビアとなるが、自社所有地で営業していればまた話は少し変わってくる。また、大手を中心にタクシー事業以外にも、関連業(燃料販売など)や異業種など、複数の事業展開をしている事業者と専業の事業者でも、現状認識には差が出てくるのは明らか。

 タクシー事業者はそれぞれ東京と地方都市、都市部と山間部などでも状況が大きく異なる。また、乗務員もどのような働き方をしているかで状況は大きく異なるので、確かに売り上げは極端に落ちているのだが、その受け止め方は業界内でも千差万別となっている。しかし、メディアではタクシー業界の苦しい状況を、一元的にことさら大げさに報じようとしているので、業界に近い人ほど、報道姿勢に違和感を覚える人も多いようだ。ただ、「大変だ」と言っているだけでなく、お弁当の宅配など、業界としても“新しい生活様式”に合わせた、新しい営業スタイルを模索しているのである。

 いまのタクシー業界の厳しい状況は、いままでのそれとは次元の違うものなっている。それでも、緊急事態宣言が全国で解除され、それに伴い人々の移動が活発になってくると、ニーズが戻るだけでなく、さらに期待して良いのではないかとする声もある。

「政府が『テレワークしろ』といっても、すでにゴールデンウイーク明けから、会社へ出社するひとは急速に戻りつつあります。そして、ビフォアコロナの時代のギュウギュウ詰めの満員電車なども戻ってくるでしょう。
しかし、混雑する電車やバスに乗ることを躊躇するひとも今後は目立ってくると思います。仕事での得意先やプライベートでの移動でも、感染リスクを意識して鉄道やバスの利用を控え、タクシーを利用するひとは増えてくるでしょうし、鉄道やバスでの移動自体を控えるような要請(企業などが)は緊急事態宣言解除後もしばらくは目立ちそうですから、タクシー需要は十分期待できます」(事情通氏)。

 ただ配車アプリの利用拡大や監督官庁を巻き込み、たとえばタクシー利用についてのサブスクリプションの導入など、料金面の工夫だけでの需要喚起ではアフター(WITH)コロナの時代では物足りないだろう。運転席と客席の間に、透明のビニールなどで間仕切りをすることの徹底など、感染予防対策をより徹底し、鉄道やバスより感染リスクが低いことを積極的にアピールしていくことも利用拡大には必要となってくるといええるだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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