「おもてなし」が原則ゆえのコロナ禍での苦しい事情! 実質販売活動停止のとあるレクサス店の苦悩 (1/2ページ)

一切のサービスを控えるという徹底ぶり!

 一時に比べれば落ち着きを見せている、日本国内での新型コロナウイルス感染状況。連日、テレビなどのメディアでは、経済活動の本格的再開に向け、飲食店などが熱心な感染予防対策を講じて営業している姿が報道されている。

 新車販売現場においても店舗間で差はあるものの、入店時の消毒やスタッフのマスク着用は、ほぼ当たり前となっている。熱心なところでは、商談テーブルの真ん中に透明なアクリルボードを設置し、商談時の飛沫感染予防を行ったり、点検終了時の車両消毒、飲み物を提供する際には使い捨ての紙コップの使用や、一部スタッフについては医療用の使い捨てゴム手袋の着用などを行っているところもある。ただ、同じ販売会社でも店舗によって感染予防対策のレベルに差があるなど、業界全体での統一感があまりないのは気になるところではある。

 しかし、先ほど究極の感染予防対策を講じている新車ディーラーに遭遇した、それはレクサス店である。

 店舗を訪れると、受け付けの女性が応対してくれたので、「新車を見に来た」と伝えると、ショールーム内の展示車のある場所まで案内してくれたものの、そのままフェードアウト(立ち去って)してしまった。ビフォアコロナの時代から、違和感を覚える接客と感じていたレクサス店であったが、いつにも増して強い違和感を覚えた。

 とりあえず展示車を眺めていると、ウインドウに何やら貼り紙があった。内容を要訳すると、「新型コロナウイルス感染予防のために、店頭での車両説明、商談、下取り査定、試乗は中止しております」というものであった。いい歳のオジさんとなる筆者であるが、久しぶりに強い衝撃が走った。一瞬取り乱したものの、勇気をふりしぼり受け付けの女性に「新車販売はしていないということですか?」と聞くと、全面的に中止しているというわけではなく、希望があれば対応しているとのこと。

 その後、セールスコンサルティング(レクサスではセールスマンをこう呼ぶ)がやってきたので、「店頭で商談しないということは、新車は売っていないのですか」と聞くと、「そういうわけでもないですけど……」と返答に困っていた。レクサスはもともと訪問販売を行わない、一度接客したひとへの積極的な店頭再誘致の声がけも行わないのが大原則。それなのに、店頭で商談しないということは「新車販販売活動を全面的に中止しております」と言っているのに等しい。新車ディーラーが「商談はしません」と公言している姿は、筆者からするとまさに“アメイジング!”。


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