MT乗りでもほぼ知らない! どんなクルマでもいつかは起こる「クラッチが滑る」ってどんな症状? (2/2ページ)

半クラッチの多用などが原因で起こる

 クラッチが滑る理由は、前記のとおり、クラッチフェーシングの摩耗が一番。他にクラッチのオーバーヒートでフェーシングが焼けて、摩擦力が低下するというケースがある。

 いずれも半クラッチの多用が原因だと思っていい。また走行中、変速時以外にもクラッチペダルの上に左足を乗せておく癖のある人は、いつの間にか半クラ状態になり、クラッチを摩耗させている可能性がある。

 その他、エンジンをチューニングしたクルマは、大パワーに負けてクラッチの摩耗が早くなったり、熱でクラッチが変形し、圧着力が落ちることも……。あとは、オイルやグリースが漏れてクラッチを滑らせるというパターンも考えられるが、いずれにせよクラッチのオーバーホールが必要。

 クラッチの寿命は同じクルマ、同じクラッチでも、乗り方やクラッチの使い方で大きく異なる。スポーツカーでも5万kmぐらいはもたせることができるが、人によって1万kmしか持たない人もいれば、クラッチワークが上手な人なら10万kmぐらい持たせる人も!

 オペレーションシリンダーのレバーの位置で、ある程度クラッチの残量を判断することができるが、基本的には消耗品と割り切って、滑りの兆候が出たら交換するしかない。

 なお、クラッチの摩耗・消耗はMT車だけではなく、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)のクルマやAT車にもある。過走行やATFの劣化や不足などが原因で、2ペダル車でもクラッチ滑りは無縁ではない。ちなみにATでクラッチが滑ったらミッションオーバーホールになるので、けっこう高い出費になる……。

 いずれにせよ、クラッチの滑りを感じたら早めにプロに点検してもらおう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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