ファミリー向けなのに生活感ゼロ! ウソみたいな両立を実現したオシャレミニバン5選 (2/2ページ)

日本人には思いつかない奇抜なアイデアを採用するモデルも

3)メルセデス・ベンツ Vクラス

 3台目は、ちょっとサイズは大きいですが、ヨーロッパのミニバンとして初めて日本導入された歴史を持つ、メルセデス・ベンツ・Vクラス。こちらは3列シート7人~8人乗りがあり、ベーシックなボディに加えて少しホイールベースが長いロングボディ、もっと長いエクストラロングボディの3タイプが揃います。いちばん長いボディだと全長が5.3m超えなので、街中での取り回しはそれなりに大変ですが、FR(後輪駆動)レイアウトなので想像よりはよく曲がるなぁという印象です。

 Vクラスの大きな魅力は、ビジネスクラスの飛行機のような、カッチリとしたインテリアでしょうか。電動スライドドアが開いたら、スーツ姿の男性がゾロゾロとおりてきそうな雰囲気満点です。実際、シートは全席が取り外し式なので、2列目シートを逆向きに設置して、応接セットみたいな空間を作ることもできます。ドイツでは、これで会議をしながら移動する会社もあるんだとか。ただし、シートの取り外しはめっちゃ重くて、男性でもけっこう大変ですけどね。また、強い横風に煽られてもフラフラしないとか、高速道路での安定感とか、そういった走行性能はミニバン随一といえるでしょう。

4)フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーラン

 4台目は、カッチリとした質実剛健な雰囲気がありながら、コンパクトボディでとても運転しやすいオシャレミニバン、フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーランです。スライドドアではなく通常のヒンジドアですが、3列7人乗りで大家族でもOK。シートも全席が独立タイプで、それぞれに折りたたみができるので、いろんなシートアレンジをして使えます。

 ゴテゴテした無駄な装飾のないシンプルなインテリアですが、どこかセンスの良さを感じさせるのがフォルクスワーゲン。日用品などを「無印良品」で揃えている人などは、惹かれるのではないでしょうか。安全装備は抜かりなく、ディーゼルモデルも追加されたので、燃費もミニバンとしてはとても優秀です。

5)シトロエン・ベルランゴ

 5台目は、2019年末に限定発売された途端、即完売してしまい、2020年秋頃に再び発売が予定されている5人乗りミニバン、シトロエン・ベルランゴ。ボディサイズや室内空間は、カングーをほんの少しずつ大きくしたような感じと思ってもらえれば間違いないと思います。そう、本国フランスでもこの2台はライバル。いよいよそんなベルランゴが、本格的に日本導入されるんです。

 こちらもベースは商用車なので、それほど凝ったインテリア装飾などはないのですが、ベルランゴの大きなポイントはやっぱり天井。大きなガラスルーフになっているばかりか、その下に前後を貫く1本のバーが渡されており、それがオープン収納になっているところです。タオルとか上着とか、軽いものをポイポイと放り込んで収納するのにもってこいな感じで、なんだか電車みたいですよね。

 そして後席の後ろの天井には、日本で言うところの茶箪笥的な(笑)、スライド式の大きな収納が備え付けられています。これは後席からも、荷室側からも開けることができて、便利そうですよね。日本人にはちょっと思いつかない奇抜なアイデアをクルマに採用してしまうシトロエンらしい、独創的なオシャレさ。またすぐに完売しちゃうかもしれませんから、気になる人は今から要チェックですよ。

 というわけで、使えるのにオシャレなヨーロッパ発のミニバン5台をご紹介しました。どれも、細やかなおもてなし装備が満載の日本のミニバンと比べると、ちょっとそうした装備が手薄な感じは否めませんが、収納スペースや安全装備、ロングドライブでの安心感や快適性にはそれぞれのメーカーの哲学や最新技術が注がれているなぁと感じます。そうした、ひと味違ったミニバンと暮らしてみるのも、また新しい楽しさにつながるのではないでしょうか。もちろん、レジャーで頻繁にロングドライブをするファミリーにもピッタリのミニバンたちだと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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