【試乗】ハンドリング性能が大幅向上! 日産リーフNISMOが2020年モデルに進化 (1/2ページ)

サスペンションチューニングやパワステの最適化を実施

 日産のEV・リーフをベースにNISMO(ニスモ)が仕立てたリーフNISMOが、2018年モデル(18MY)から2020年モデル(20MY)へと進化した。試乗する機会を得たのでインプレッションをお届けしよう。

 リーフNISMOの基本的なコンセプトは「サスティナビリティと自己満足の両立」であり、この部分はキープコンセプトとして20MYにも引継がれた。環境に優しいEVとして将来のモビリティの中核になることは明白だが、一方ファン・トゥ・ドライブをいかに感じ、運転する歓びを与えられるかが重要なテーマでもある。

 18MYでは空力特性を追求しつつ、ニスモらしいスポーツ性を高めるデザインの外観や内装のデザインが採用され注目を集めた。また「人馬一体感」を高めるサスペンションチューニングや18インチ専用タイヤの装着、専用VCM(コンピューターチューニング)を授けていた。

 20MYではこれらに加え専用のレカロ社製シート開発。オプションで選択装着可能とした。このシートはじつに優れた機能性を備えていて、着座した途端にサポート性の高さと快適性の両立していることが感じられる。座面は固めだが身体との接触面積が大きく面圧は低く保たれるので、長時間座っていてもお尻が痛くならない。また背もたれ部は内部の構造を変更し、肩甲骨のホールド性を向上させている。これによりコーナリング中のステアリング保舵が楽になり操作性も高まったといえる。

 サスペンショは専用スプリングと減衰特性をチューニングしたショックアブソーバーを組み合わせ、さらにバンプラバーをソフトなウレタン製に変更するなどしている。ちなみにフロントのスプリングバネ常数は28N・mから32N・mへと14%強化、リヤスプリングは48N・mから60N・mへと25%も固められている。

 これに専用チューニングのEPS(電動パワーステアリング)が与えられ、ステアリングギア比は18MYの18.3から14.9へとクイックレシオ化されている。より少ない操舵角でコーナリングが可能となり、固められてロールが抑えられた車両姿勢とともに走りを楽しめるスポーツ性が高まったということだ。

 パワーコントロール制御は見直され、よりリニアなトルク特性が与えられた一方で、Bレンジを選択すると一層シャープなトルクレスポンスが得られる。開発グループはこのBレンジを「バッドボーイ」とニックネームで呼ぶほど過激に仕上げたというのだ。

 加速が良ければブレーキ性を求められる。20MYでは従来以上にペダル踏力に応じて液圧を高め、リニアな制動Gを得られる専用チューニングを与えている。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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