最悪は「引火爆発」! 夏に多いバッテリー上がり時の「ジャンピングスタート」にケーブルを繋ぐ順番があるワケ (2/2ページ)

神経質になる必要はないが接続手順は守った方が安全

 ではなぜ、順番が大事なのかというと、順番によって火花の大小が違うからだ。火花は4工程のケーブル接続のうち、最後に出る。そして弱ったバッテリーより、元気なバッテリーのほうが強い火花になりやすいので、最後につなぐのは弱いバッテリー側にするのがいい。

 弱いバッテリー側にするにしても、プラスとマイナスがあるわけだが、プラスはバッテリーの端子に直接つなぐ必要があるが、マイナスはボディアースになっているので、バッテリーの端子に直接つながなくてもOK。つまり、水素が発生しているであろうバッテリー本体から離れたところ(エンジンブロックなど)にブースターケーブルをつなげられるので、火花が出てもバッテリー周辺の水素に引火する可能性がなくなるというわけ。そこから逆算して考えると、消去法的に上掲の接続方法にたどり着くというのが、順番を重視する理由となる。

  

 もっとも最近は、水の電気分解を起こりにくくし、電解液の補充が不要なMF(メンテナンスフリー)バッテリーが増えてきているし、そもそもジャンピングスタートは通気性のいい屋外で行うのが普通。

 そう考えれば、接続手順にそこまで神経質にならなくても、プラスとプラス、マイナスとマイナスを確実につないで、ショートさせないようにだけ注意すればいいような気もするが、余裕があるなら接続手順は守ったほうが安全なのは間違いない。

 接続手順は覚えていなくても、ブースターケーブルが入っている袋や、クルマの取扱説明書にも書いてあるはず。それらが見当たらない、見ながら作業をする余裕がないというときは、順番は無視して、プラスとプラス、マイナスとマイナスを確実につなぐことだけに注力すればOKだ。

  

※基本的にハイブリッド車はクルマの構造上、他のクルマのバッテリー上がりを救援することはできないので要注意


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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