国産メーカーはもう一度ワゴンを見直すべき! 偉大すぎる「初代レガシィ」と追いかけた90年代「激速ワゴン」たち (2/2ページ)

スポーツモデルと同じエンジンを積むクルマも!

 続いて日産。日産のハイパワーワゴンといえば、ステージア。初代ステージア=WC34は、1996年のデビュー。ローレル/スカイラインのシャーシを流用し、エンジンも直6のRB25DET=280馬力を搭載。日産らしいイカツいスタイリングとスカイライン直系のLクラスステーションワゴンとして、走りの良さには定評があった。

 1996年には、オーテックからGT-Rの心臓部=RB26DETTをはじめ、ドライブトレーン、リアサスペンションを流用した特別仕様車「260RS」が登場。最強のステーションワゴンという意味では、極めつけの一台となった。

 トヨタでスポーティなワゴンというと、カルディナになる。ベースは10代目『コロナ』(T190型)で、1992年に登場。商用モデルのカルディナバンがあったり、初期モデルには2リッター/1.8リッターのNAエンジンしかなかったので、あまりスポーティなイメージはなかったが、1995年に2リッターDOHCの3S-GEを積んだ「TZ-G」が追加になる。

 1997年のモデルチェンジで、2代目になり、セリカGT-FOURから流用した260馬力のターボエンジン「3S-GTE」と4WDを組み合わせた「GT-T」を登場させ、スポーツワゴンの仲間入り。パドルシフトのAT=スポーツステアマチックも「GT-T」に用意されていた。

 ちなみに王者レガシィは、1993年にモデルチェンジして2代目に移行。2代目ではシーケンシャルツインターボを投入し、1996年のビッグ・マイナーチェンジで、2リッター量産車初の280馬力を達成。他社のハイパワーワゴンを突き放す。

 こうして各社ともワゴンをよりハイパワー路線に進んでいったのが1990年代。しかし、実際はレガシィなら、NAの2.2リッター、あるいはホンダの“U.S.アコード・ワゴン”(初代 CB9)のF22Aエンジン(2.2リッターNA)などでも、パワーも十分で使いやすく、実用性が高かった……。

 そしてこれらのハイパーワゴンブームから、より万能性、より広い室内と荷室を求めるユーザーが増え、SUVブーム、ミニバンブームに移り変わっていくのだが、クルマの基本はやっぱりセダンで、そのセダンベースのワゴンというのは、いま考えてもなかなかいい落としどころではないだろうか。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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