リーフに続きアリア投入で日産だけが突っ走る! なぜ「それ以外」の国産メーカーは「EV」に本腰を入れないのか (2/2ページ)

トヨタ、ホンダ、マツダは、シティコミューターが主流

 日産以外の日系メーカーでもEVは量産するものの、いまのところ日産とは目指す方向に大きな違いがある。ホンダ「Honda e」とマツダ「MX-30」は、アリアやテスラのような電池容量の大きな電池パックは搭載せず、あくまでも市中や郊外までの移動を効率良く行うEVとして位置付けられている。

 また、トヨタは電動化戦略の長期ビジョンでも明らかなように、長距離移動の電動車は燃料電池車の普及を優先し、EVは市中のシティコミューターという想定だ。2020年後半には、ふたり乗りの超小型EVが量産される予定だ。

 こうした日産以外の日系メーカーは「EVは依然として、米中の規制ありき」、「テスラが主導したプレミアムEVありき」という市場分析のもと、「日系メーカーが得意とする、中小型車のマスマーケット(主要市場)での本格的なEV普及は当面先になる」という共通認識がある。

 見方を変えると、こうした各社のEVに対する方針に対して、日産は「逆張り」しているともいえる。

 2010年に初代「リーフ」登場の際も、日産は他社がハイブリッド車強化の流れに対してEVでの「逆張り」を仕掛けた。あれから10年、世界のEV市場は大きく変化し、また日産の経営陣も大幅も入れ替わったものの、結果的に、EV優先志向という日産の事業戦略に変わりはないように感じる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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