なぜか「成功例」が見当たらない! 軒並み1代限りで消えている「観音開きドア」のクルマ4選 (2/2ページ)

観音開きドアのクセが強すぎて短命になってしまったモデルも

3)ホンダ・エレメント(2003~2005年)

 SUVを基本に、ミニバン的な積載性をプラスしたクロスオーバー・コンセプトで生まれたのが「エレメント」。メカニズム的には北米で人気のホンダCR-Vの派生モデルといえるが、観音開きドアや樹脂パーツを多用したユニークな外観は、完全に独立したモデルとして個性をアピールした。北米では2002年から2011年まで生産されたロングセラーモデルとなったエレメントは、2002年から2005年という非常に短い期間ではあるが、北米からの輸入というカタチで日本市場に導入されたことがある。

 日本仕様は、2.4リッター 4気筒エンジン・4WDというパワートレインの設定となっていた。短命に終わった理由が、観音開きドアのクセが強すぎたせいなのか、あまりにアメリカ的な世界観が拒絶されたのかわからないが、いずれにしても日本では超レア車となってしまった。

4)トヨタFJクルーザー(2006~2012年)

 観音開きドアを採用した、もう一台のトヨタ車が「FJクルーザー」。こちらも、昔懐かしいFJ40型ランドクルーザーをモチーフとしたパイクカー的なモデルといえる。観音開きドアの構造は「オリジン」とは異なり、フロントドアを開けた状態でないとリヤドアの開閉ができないタイプだが、逆にピラーレスとなっているため使い勝手は向上している。どこかファニーな表情も見せるため、軟派なSUVにも見えるが、その中身はFJの名前を冠するにふさわしい本格クロカン4WD。

 ランドクルーザープラド系のラダーフレームに、4.0リッターV6ガソリンエンジンとデフロック可能なパートタイム4WDというパワートレインを載せたものとなっている。なお、FJの読み方は「エフジェイ」が正しく、エフジェーと伸ばすのは間違いであることは豆知識として覚えておきたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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