乗った瞬間「走りマニア」も唸る! 実用車の「仮面」を被った「隠れスポーティ」名車5選 (1/2ページ)

クルマオタクも唸る走りの良さ!

 一見すると、ごく普通の実用性重視のグレードだと思える仕様でも、じつはすごいと感動できるクルマは少なくない。そこで今回は、乗れば走りの質にうるさいクルマオタクも感動必至の隠れた名車的なクルマを紹介しよう。存在としては地味でも運転の楽しさのレベルが高く、クルマオタク系の人にも強くオススメできる国産車5台をピックアップしてみた。

1)トヨタ・ヤリス(ガソリン1.5リッター「Z」6速MT)

 超大人気の新型ヤリス。ベーシックなガソリン1.5リッター車に6速MTが設定されていることは、クルマオタク的大注目ポイントだ。しかも、驚愕レベルの素晴らしい走りが味わえるから見逃せない。新設計の3気筒エンジンは思いのほかパワフル、かつ驚くほどスポーティで、実用域のトルクの太さと燃費の良さを追求したユニットらしからぬ痛快なフィーリングが魅力。3気筒特有のラフな振動を多少伴うものの、それが良い感じにスポーツ性を高める類いの振動に仕立てられているように感じられる。MTでブチ回せば排気音も勇ましくてビックリ。トヨタの実用車向けユニットも、ついにクルマ好きが喜べる類いの回転フィールが得られるようになった。

 MTの操作フィールも期待以上。気持ち良さや面白みにかけた過去のヴィッツの事務的な手応えのMTと異なり、感覚面の細部にもしっかりこだわって設計した手応えが得られる。今時のMTとしては比較的クラッチペダルが重く、まるでスポーツグレードのようだ。ハンドリングと乗り心地の両立ぶりも特筆レベルで、誇張抜きでWRCチャンピオンマシンの血統を感じさせる。全域において過去のヴィッツの実用グレードとの別世界感がすごい。クルマオタク向け圧倒的激推しコンパクトカーとして、もっと注目されてほしいものだ。

2)スズキSX4 S-CROSS

 マイナーチェンジ後は顔がBMWに似ていると話題になったものの、最近では国内の月間販売台数は2ケタで推移するほど地味な存在に。しかし、顔がビーエムなだけではなく、走りの質も欧州車そのもので、クルマオタク的に感動できるポイントが満載だ。操縦性、動力性能ともにわかりやすいスポーツ性の高さが味わえるわけではないものの、クルマの動きの一挙一動がしっかり煮詰められているので、どんな場面でも良いクルマに乗ってる感が常に得られる。高めの速度域での安定感や、峠道でのドライバーの意思とクルマの動きが完全にシンクロするような一体感など、同クラスの国産小型SUVではほとんど味わえない魅力に溢れている。

「ALLGRIP」と呼ばれる4WDシステムの制御の緻密さもまた秀逸。乾いたアスファルトではもちろん、滑りやすい雪の上でも単に安定性を保つだけでなく、積極的に旋回させるための駆動配分を行うので、曲がりの楽しさも存分に発揮。現行型もハンガリー生産で、欧州や東南アジア市場を重視。国内市場での販売台数の少なさが惜しまれるところだが、知る人ぞ知る系の名車に乗る優越感は魅力のひとつと言えるかも知れない。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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