趣味性だけじゃなかった! 日本と違ってヨーロッパや経済新興国では「MT車」がまだまだ人気なワケ (2/2ページ)

経済新興国でもMT比率が高い傾向にある

 インドやブラジルなど経済新興国でも、MT比率は比較的高い状態が続いている。理由は欧州と同じく、「より安く」という庶民の生活に対する気持ちの現れである。とくに、小型トラックや小型車など、商用車や庶民の足で使うクルマはMTが多い。

 一方で、若者がMTを好む傾向があるのは、やはりスポーティ性に対する憧れだ。

 クルマを所有すること自体が夢、そして所有したらどんどん高級なクルマが欲しい、またはスポーツカーが欲しいといった、かつて日本の若者たちも抱いた、クルマに対する向上心が、経済新興国のなかに残っている。地域によっては、ストリートドラックレースなどに興じる若者もいる。シフトチェンジしながら加速していくことのよろこびが、明日への活力になるのだろう。

 また、中国ではMT比率が高くない印象がある。若者もMT優先というワケでもない。これは、やはりアメリカンカルチャーの影響ではないだろうか。2000年代以降の急激な経済成長を押し上げたのは、アメリカ生活経験がある富裕層という指摘があるからだ。

 日本ではごく一部となったMT。世界各所で、まだまだ需要が続きそうだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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愛車
トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
趣味
動物たちとのふれあい
好きな有名人
聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

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