かつては結構あったのに! いま人気の国産SUVから「3ドアモデル」が消えたワケ

かつてはRAV4やパジェロなどにも3ドアモデルが

 クロカンやSUVにも、以前であれば3ドアボディというのが存在した。ショートボディだったり、デザインを優先したりなど、理由はいろいろだが、珍しい存在ではなかった。しかし、今や3ドアというと、ジムニーぐらいだろう。あとは5ドアばかりだ。

 なくなってしまった理由として一番大きいのは、やはり使い勝手だろう。クーペが減ってしまったのも同様で、後ろに乗り込むのがとても大変。ここのところ長い間、2ドアや3ドアというのは減る一方だけに経験がない人がほとんどだろうが、子供なら潜り込むようになるのも楽しいだろうが、大人はけっこうきつい。もちろん荷物も気軽に後席に積むというよりも、シートのすき間から置いたり、取ったりするのはかなり苦労する。

 最近ではミニバンや5ドアのSUVの使い勝手のよさが当たり前になっているので、なおさら厳しい。デザインコンシャスと絶賛されたランドローバーの初代イヴォーグも、結局は使い勝手で5ドアが売れたし、実際に買うユーザーの声も実用性重視とのことだった。また、古くは初代RAV4の3ドアがユニークと絶賛されつつも、間延びした5ドアのほうが人気だったし、またコンセプトカーから抜け出でてきたホンダのHR-Vも、スタイリッシュな3ドアが不振で、5ドアがてこ入れ的に追加された。

 それでもパジェロやエスクードなどに3ドアがあったのは、スポーツカーと同じく、趣味性が高いクルマを受け入れる余裕というか、時代性があったのだろう。

 ジムニーが3ドアなのは軽自動車という、そもそも制限のあるクラスだから5ドアにするというのは無理というのは一般ユーザーもわかっていることなので、例外的なもの。極端な話、結局は見る分にはコンパクトにうまくまとまっていていいけど、実際に所有するのはちょっと……、という時代になったというわけだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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