オールシーズンかスタッドレスか? じつは「悩ましくない」ヨコハマのタイヤ選び (2/2ページ)

アイスガード 6は氷上性能がスゴイ!

 もちろんヨコハマタイヤでは、スタッドレスタイヤも用意している。アイスガード 6(ice GUARD 6)を紹介しよう。

 このモデルの特長は、冬の道でもっとも怖いアイスバーンでの性能が高いということだ。トレッドは左右非対称パターンを採用しており、とくに内側に氷上性能に効果のある技術を採用している。

 氷上が怖いのは、ミクロの目でみたときに表面にある「水」なのだ。これが滑る要因になる。アイスガード 6は斜め方向のマイクログルーブが排水性と横方向へのエッジ効果を⾼め、、さらにゴム自体が吸水することで水を排除、表面にシッカリとトレッド面が密着するのだ。このゴムはプレミアム吸水ゴムと呼ばれ、新マイクロ吸水バルーンとエボ吸水ホワイトゲルが、ゴムの中の空洞に水を吸い上げるようなイメージで水を排除する。

 さらに、クワトロピラミッドサイプや横方向のマイクログルーブ、新マイクロ吸水バルーンなどの、「ゴムの角」が氷を引っかく「エッジ効果」によってグリップを高めるのだ。

 細かいことは抜きにしても、前モデルであるアイスガード 5 プラスに比べ、氷上のブレーキングテストで15%も距離を短縮、氷上の吸水効果が6%向上といえば、その凄さがわかるだろう。

 こんな言い方をしてしまうと少し雑に聞こえるかもしれないが、圧雪路やシャーベット路でのグリップ性能はわざわざいう必要もない。一流ブランドタイヤがダメなはずもなく、ライバル各社も「それ以外」の性能で競っているのが現状だ。実際に編集部でも冬の北海道で圧雪路を体験しているが、狭いワインディングをWRCのごとく攻めたくなるほどにグリップしていた。

 氷上性能以外にも注目したいのは経年劣化の少なさだ。ゴムを使用するだけにタイヤはナマモノといわれる。ザックリいえば経年でゴムが硬化してしまうと、溝があっても性能が発揮できないのだ。アイスガード 6は4年経ってもしなやかさが持続されて、高い氷上グリップを示すのだという。これはあまり距離を乗らないひとにとっては嬉しい性能だろう。

 また、非降雪地域で気になる、冬のウエット路での性能も確保。これも先代モデルとなるアイスガード 5 プラスに比べて、制動距離は5%短縮している。さらに燃費、パターンノイズなど、とにかく全方位に性能を追求したのがアイスガード 6というワケだ。

 オールシーズンタイヤとスタッドレス、一見悩ましい選択にもみえるが、日常的に降雪地域を走行する人、ウインタースポーツで毎年何度も凍結路や雪道を走行する人はスタッドレス以外の選択肢はない。一方で、非降雪地域で実用車に乗っていて、ハイグリップなスポーツタイヤなどに注目している人でなければ、「雪でも安心な夏タイヤ」という感覚でオールシーズンがオススメだ。冬の準備が早すぎるということはない。目当てのサイズや銘柄がなくなる前に、購入してほしい。

■YOKOHAMA BluEarth-4S AW21(ブルーアース・フォーエス・エーダブリュー・ニーイチ)
サイズラインアップ:175/65R14〜225/55R19(全19サイズ)
https://www.y-yokohama.com/product/tire/bluearth_4s_aw21/

■YOKOHAMA アイスガード 6(アイスガード・シックス・アイジーロクマル)
サイズラインアップ:165/80R13〜245/40R20(全117サイズ)
https://www.y-yokohama.com/product/tire/iceguard_6/

【詳しくはこちら】
問い合わせ:横浜ゴム株式会社 0120・667・520(受付時間 平日:9:00~17:00)

自動車ジャーナリストの飯田裕子さんがヨコハマにインタビュー!

1)製品企画編

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3)販売編


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