スポーツタイプのクルマに多い! 「クロスミッション」って一体何? (1/2ページ)

エンジンが力を発揮しやすい回転数を維持する狙いがある

 クロスミッションとは、トランスミッションの各ギヤのギヤ比の差=ステップレシオが、標準のミッションよりも小さいミッションのこと。

 レシプロエンジンでは、エンジンの回転数の上昇に合わせてトルク&パワーが高まっていき、ある程度高い回転にならないとピークパワーは発生しない。

 そのためスポーツ走行をする場合、そのトルク&ピークの頂上付近の回転数をキープしたまま走れれば、もっともパワフルに走れることになる。

 例えばゼロヨン。1速でスタートし、レッドゾーンまで引っ張って2速に入れると、シフトアップしたときに回転数がドロップする。そして再びアクセル全開で加速し直して、レッドゾーンまで回して3速に。またまた回転数がドロップし加速し直す……とこの繰り返しになるわけだが、ギヤごとのギヤ比が離れていると、シフトアップのたびの回転数が大きく落ちるので、強力な加速力が得られない。

 そこで各ギヤのギヤ比を近づけて、シフトアップ時の回転数のドロップを小さくし、エンジンが力を発揮しやすい“おいしい回転数”=パワーバンドをキープしてやろうというのが、クロスミッションの狙いだ。

 ちなみにクロスミッションの「クロス」とは、(ギヤ比が)「接近した、近い、僅差の」という意味の、「クロース」から来ている。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報