ヤリスクロス・CX-3・クロスビーなど百花繚乱の「200万円以下SUV」! 徹底比較で買いを検証 (2/2ページ)

アウトドアで使用する場合にはラゲッジスペースも重要なポイント

 コンパクトカーであっても、あえてSUV、クロスオーバーSUVを選ぶユーザーであれば、アウトドアを楽しむ前提でクルマを選んでいるケースも多いはず。そこで重要になるのがラゲッジスペースの容量だ。アウトドアグッズ、キャンプ用品を積み込むのであれば、ある程度以上のスペースが必要になる。その点で圧倒的なのが、ライズ&ロッキーだ。

 何しろ、ライズ&ロッキーのラゲッジルームはクラストップレベルの大容量を誇り、ラゲッジスペースを上下2段で使えるデッキボード上段状態でも303リットル、デッキボード下段では369リットル、さらに床下に80リットルもの収納スペースを備えているのだから、びっくり。具体的には奥行755mm、幅1000mm、高さ865mmと、5ナンバーサイズのコンパクトSUVとは思えないスペースでもあるのだ。ちなみに3ナンバーサイズとなるヤリスクロスはデッキボード下段で390L、奥行820mm、幅913mm、高さ715mm(デッキボード上段)である。

 が、ラゲッジスペースの使い勝手は、容量、スペースの寸法だけでは語れない。もし、4人乗車でスキー板のような長尺物を”車内に”積み込みたい場合、後席が6:4分割可倒式では不可能に近い。しかしヤリスクロスの4:2:4分割なら、後席左右に人が座り、2部分の中央をトランクスルーとし、長尺物を積むことも可能(片側4部分だけ倒せば、4名乗車でゴルフバッグ2セットをフラットフロアに縦積みも可能)。ペットをラゲッジスペースに乗せざるを得ない場合も(後席が基本です!!)、エアコンの風が届きやすく、また乗員とペットがアイコンタクトしやすくなるというメリットもあったりする。

 最後に、アウトドアや災害時に威力を発揮するのが、2モーターのハイブリッドモデルの一部に用意されるAC100V/1500Wコンセント。これがあると車内外で1500Wまでの家電品が使えて便利。ヤリスクロスのHVモデルにはそれが4万4000円のオプションで用意されるのだ。さすがにガソリン車だけのライズ&ロッキーなどでは叶わない装備と言える。

 ちなみに、見知らぬ土地での不測の事態、緊急時、あおり運転被害にあったときなどに絶大なる安心をもたらしてくれるヘルプネット、SOSコールボタンが車載専用通信機とともに備わるのは、ヤリスクロスとフィットクロスター(合わせてトラブルサポートボタンもある)などである。

 また、都会のユーザーがアウトドアライフを楽しむ場合、高速道路を延々と走り、目的地に向かうこともままあるはずだが、そんなときに有用なのが、前車追従走行ができ、渋滞時にも頻繁なペダル操作から解放されるACC(アダプティブクルーズコントロール)。それが用意されているのは、ヤリスクロス(X以上ほぼ全車)、フィットクロスター(全車)、ライズ&ロッキー(ライズZのみ、ロッキーG以上)、CX-3(一部グレード)となる。

 というわけで、コンパクトSUVを誰と乗るか、どう使うか、なにを期待するかで、自身に、家族にベストな1台を選んでいただきたい。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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