【試乗】新型ルノー・ルーテシアは国産コンパクトキラー! 極上の走りと先進の安全&快適装備で日本を席巻する (2/2ページ)

日産ゆずりの先進安全&快適装備が「輸入車感」をなくす

 というのも、ルノー・日産・三菱連合が機能し始めたのか、日産や三菱のノウハウや技術が反映されているからである。Bプラットフォームは連合共通であり、直列4気筒1.3リッターターボエンジンが搭載される。

 エンジン特性は整っている。先代から比較して排気量が増したことで、低回転から十分なトルクを発生する。ターボ過給の力を借りている感覚は残るものの、ライバルとの比較でも優位性がある。

 トヨタ・ヤリスは直列3気筒だから滑らかな回転フィールという点ではアドバンテージがあるし、ホンダ・フィットとの見比べてもハンドリングに魅力がある。先代は15.2だったステアリングギヤ比が14.4まで切り詰めらたことからも想像できるように、初期ステアから活発なフットワークを展開するのだ。

 ライバルであるマツダ2よりもスポーティであり、その意味ではスイフトとキャラクターが似ていなくもない。たとえば運転モードは「一般モード」「スポーツ」「エコ」と常識的に3段階に分けられているが、その落差は潔い。「スポーツ」モードにアジャストした途端にエンジン回転が上がり、レスポンスが際立つのだ。ルーノーというメーカーはつくづく走りが好きなのだとあらためて納得した。

 組み合わせられるトランスミッションは、贅沢な7速EDCというから驚かされる。湿式に改められたゲトラグ製ツインクラッチと合体されているのだ。このクラスのコンパクトハッチであれば、CVTか、もしくはトルクコンバーター式のオートマチックと組み合わせるのが相場だが、ダイレクトなバイト感と、効率に優れたツインクラッチを踏襲するとは想像していなかった。それ、湿式に変更することで、優しいミート感覚になっている。

 ツインクラッチの機械的なフィーリングが抑えられたことで、乗りやすくなったのだ。街中でのストップ&ゴーでメリットがあった。

 懸案だったモニターはタッチスクリーン式の7ンチタイプに進化した。

 日産が得意とする運転支援技術が採用されたこともエポックだ。最新の「プロパイロット2.0」ではないものの、価格的制限のあるBセグメントのなかでは、驚くほど進んだシステムが盛り込まれているのだ。

 日本でも、新型ルーテシアの評価が高まるに違いない。日仏連合のアライアンスが強化されたことで、ブランス車らしいテイストを残しながら、日本人が受け入れやすい仕様になっているからである。欧州の街中で見る光景のように、日本でも増殖の気配がする。


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