ハッキリいって「人気はイマイチ」! それでも見なきゃ損する「スーパーGT」以外の国内レース2つ (2/2ページ)

スーパーGT以上に多彩な車種がバトルを繰り広げるスーパー耐久

 また、市販スポーツカーをベースに争われているスーパー耐久も一見の価値のあるカテゴリーのひとつ。スーパーGTのGT500クラスに比べると改造範囲は狭いものの、スーパー耐久は計8クラスとクラス設定が多く、それゆえに車種バリエーションも多彩で、スーパーGTでは見られないマシンが参戦している。

 たとえばST-1クラスに目をむければトヨタGRスープラやレクサスRC F、ポルシェ・ケイマンが参戦するほか、ST-2クラスではスバルWRXや三菱ランサー、さらにトヨタのニューモデル、GRヤリスなど4WDターボ車両が激しいバトルを展開。さらにST-3クラスではレクサスRC350やニッサン・フェアレディZに加えて、現行のトヨタ・クラウンRSが参戦していることもスーパー耐久の特徴と言える。

 そのほか、ST-4クラスではトヨタ86、ホンダ・インテグラ、マツダ・ロードスターなどのライトウエイトスポーツが活躍するほか、ST-5クラスにはホンダ・フィット、マツダ・ロードスター、トヨタ・ヴィッツなどのコンパクトスポーツが凌ぎを削っていることもスーパー耐久のポイントといっていい。

 もちろん、最高峰のST-XクラスではメルセデスAMG GT3やニッサンGT-R NISMO GT3、レクサスRC F GT3、アストンマーティン・ヴァンテージGT3、ポルシェ911 GT3RなどのGT3規定モデルが抜群のパフォーマンスを発揮するほか、ST-ZクラスにはメルセデスAMG GT4、BMW M4 GT4、アストンマーティン・ヴァンテージGT4、アウディR8 GT4、KTMクロスボウGT4などスーパーGTでは拝めないGT4規定モデルが集結。

 さらにST-TCRではホンダ・シビックTCR、アウディRS3 LMSといったTCR車両が参戦するなど国際規定モデルが集結していることもスーパー耐久の特徴と言えるだろう。

 改造範囲が限られていることから、“世界一速いGTレース”と称されるスーパーGTよりスピード不足であることは否めないが、世界屈指の車種ラインアップを誇るだけに、まさにスーパー耐久はクルマ好きに最適なレースとなっている。

 そのほか、スピード感こそ低いものの、トヨタおよびスバルが企画した「86/BRZレース」やホンダの軽自動車のワンメイクレース「N-ONEオーナーズカップ」もなかなかコンペティティブで、ワンメイクゆえに性能格差が少ないことからつねに激しいバトルが展開されている。身近なマシンとはいえ、接近戦の回数はスーパーGTやスーパーフォーミュラなどのトップカテゴリーを凌ぐほどで、純粋に見ていて楽しめるレースとなっているだけに、2021年はスーパーGT以外のレースもチェックしてみてはいかがだろうか?


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
石田ゆり子

新着情報