現行車なのに月販「ひと桁」! 中身はスゴイのに「売れなさすぎ」のクルマ5台とその理由 (1/2ページ)

高額すぎる価格帯とニーズの不一致が原因で売れていないものもある

 2021年、コロナ禍においても国産車市場はほぼ元通りになっています。1月にもっとも売れたのはトヨタ・ヤリスで、その販売台数は1万8516台。2番手のホンダN-BOXは1万6369台と、こちらもよく売れています。

 その一方で、販売がひとケタと苦戦しているクルマも存在しています。ここでは、2020年11月のデータを参考に登録台数が少ない順に5モデルをピックアップ。それぞれ、なぜ売れていないのかを考察してみようと思います。なお、新車販売が終わったモデルなどで在庫や輸入車が新規登録されるケースもあるので、ここでは調査時点で現行ラインアップに残っているモデルに限定して5台を選んだ点はご了承ください。

1)トヨタ・センチュリー

 まず、月間の新規登録台数がもっとも少なかったのがトヨタ・センチュリーで、その台数は4台。いまや国産唯一のショーファードリブンとして2018年にフルモデルチェンジしたセンチュリーには、プロトコル(儀礼)という意味で存在価値があります。とはいえ、非常にランクの高い方々を後席に乗せるというニーズはそれほど大きなはずもなく、この台数となっています。

 また2020年には地方自治体などが、メーカー希望小売価格で1996万円~という高価なセンチュリーを購入するという報道に対して批判的な声があがったこともあって、本来であれば入れ替えのタイミングであっても新規導入を躊躇する空気があったのも事実。そうした背景も栄えある(?)ワースト1になった理由なのかもしれません。

2)ホンダ・クラリティ

 つづいて月間で5台しか新規登録されなかったのがホンダ・クラリティ。燃料電池車(FUELCELL)とプラグインハイブリッド車(PHEV)をラインアップするクラリティは、エコカー分野におけるホンダのテクノロジーショーケースともいえるモデルです。とはいえ、燃料電池車で783万6400円、プラグインハイブリッド車で598万9500円という価格は、アコードクラスのモデルとしてはあまりにも高価という印象。

 また燃料電池車については一充填での航続距離が750kmとなっていますが、そもそも水素ステーション・インフラが整備されていないという課題もあり。ニワトリとたまごの話ではありませんが、燃料電池車の普及は厳しいといえるのかもしれません。とはいえ、フルモデルチェンジする前のトヨタMIRAIが2020年でいえば月販40台ペースで新規登録を増やしていたことを考えると、クラリティの商品力にも課題はありそうです。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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モトブログを作ること
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