かつてはランエボ・インプ! いまはヤリス! 時代と共に移り変わる百花繚乱「WRC」の主力マシン (2/2ページ)

これから転換期を迎えそうだ

 2017年にはマシンの迫力不足を解消すべく、再びWRカー規定が変更された。具体的には吸気リストリクター径を拡大したほか、最低重量の軽量化やアクティブセンターデフの解禁など規制緩和を実施。この規定変更に合わせて、トヨタがヤリスでWRCに復帰参戦を開始したことは記憶に新しい。

 残念ながら2017年にフォルクスワーゲン、2020年にシトロエンが撤退したものの、引き続き、トヨタ・ヤリス、ヒュンダイ・i20クーペ、フォード・フィエスタの3モデルが活躍中だ。

 一方、WRC直下の下部シリーズであるWRC2では、R5規定で開発された1600ccターボエンジン搭載の4WDモデルが活躍中。こちらもシトロエンC3やシュコダ・ファビア、フォルクスワーゲン・ポロ、フォード・フィエスタなどコンパクトハッチが主流となっている。

 なお、2022年のWRCはテクニカルレギュレーションを一新し、新たにラリー1規定を導入する。エンジンこそ現行の1600ccの直列4気筒ターボが搭載されるものの、ドイツのコンパクト・ダイナミックス社のシステムを採用したハイブリッド車両になる予定だ。

 シャーシに関しても市販車ベースのアルミおよびスチールボディだけでなく、競技専用のパイプフレームが認められるなど、純粋なレーシングカーとしての開発が可能。各メーカーともに新規定に合わせてニューマシンの投入が予想されているだけに、2022年のWRCは転換期を迎えることになるだろう。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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