いつまで使わない3列席のミニバン乗ってんの? ムダを省く「断捨離」的クルマ選びのススメ (2/2ページ)

後席空間や積載量を犠牲にせずコストダウンに貢献する

 具体例を挙げれば、トールワゴンの新型スズキ・ソリオは、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で頭上に約220mm、165mmスライドする後席を最後端位置にセットすれば、膝まわりに最大360mmものスペースがあり、最大56度のリクライニング機構や後席用パーソナルテーブルもあり、かなりゆったりと寛ぐことができるのだ。

 同種のトヨタ・ルーミー、ダイハツ・トールなら、同190mm、385mmとなる。Mクラスボックス型ミニバンのトヨタ・ノア&ヴォクシーが同260mm、300mm(ロングスライドで600mm)、ホンダ・ステップワゴンが同290mm、360mmだから、頭上方向はともかく、膝まわり方向のゆとりでは、まったく劣らないと考えていい。

 もちろん、5ナンバーでコンパクトかつ軽量な分、燃費はいいし、エンジンの排気量がマイルドハイブリッドを採用するソリオで1.2リッター、ターボエンジンも用意するルーミー&タンクで996ccだから、税金も安い。

 とくにソリオはスズキ流に幅が狭いボディ(1645mm/ルーミー&タンクは1695mm)を採用するだけに、狭い道や駐車スペースでもラクラク至極。運転が苦手なドライバーでも、見晴らし視界、小まわり性の良さもあって、運転のしやすさは文句なく、自信を持ってドライブに出かけることができるに違いなし。

 さらに夫婦やカップルの2人乗車なら、トールワゴンとカテゴリー分けされるだけあって、後席をフラットに格納することで、下手なワゴンよりも大容量のラゲッジスペースが出現。ソリオの場合、その寸法は幅1020mm、ほぼフラットになるフロア奥行1390mm、天井高980-1000mmと、小さな引っ越しができるぐらい広いのである。大型犬の飼い主が、ワゴンでは無理な大型クレートを設置することもできるほどである。

 国産ミニバンを卒業し、そろそろ輸入車もいいかな……というのであれば、広大な室内空間と機能性がウリのルノー・カングー、プジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴといった、両側スライドドア(さすがに電動ではないが)を備えたプチバン的超実用車がある。

 2列シートながら高天井、豊富な収納、広大かつ使いやすいラゲッジスペースが特徴で、いずれもフランス車だけあって、シートのかけ心地の良さ、乗り心地は絶品。価格もお手頃で(カングー264万7000円~、ベルランゴ312万円~)、入門輸入車としてもお薦めできる3台だ。国産トールワゴン同様、ミニバンからの乗り換えでも、豪華さこそないものの、しっくりくることは間違いなしである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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