クラウンの販売不振は「らしさ」の欠如! 「セダンマニア」がオーナー目線で乗って感じた「違和感」 (3/5ページ)

クラウンらしくないカチッとした乗り味

 試乗したのは、2.5リッター直4ハイブリッドユニットを搭載するRSアドバンス。クラウンと言えば、12代目となる“ゼロクラウン”までは、程度の差こそあれ、古き良き時代のアメリカ車を思わせる、“船を漕ぐような”という表現も使われるような、極端にソフトな乗り味が特徴的であった。ゼロクラウンでかなり硬い乗り味となったのだが、古参のクラウンユーザーからは“硬すぎる”という声もあり、たとえば廉価グレードなどに限って、トヨタ車ユーザーではお馴染みの“トヨタ味”とでもいうべき軽いステアリングフィールに柔らかめの乗り味といった仕様が残されている。

 今回試乗したのはRSという、昔でいうところのアスリート相当のシリーズとなるので、余計に目立っていたのかもしれないが、フレームボディのころのクラウンをなまじ知っていると、そのカチッとした乗り味に「これがクラウンなのか」と驚かされてしまう。

 試乗したのがハイブリッドということもあるのか、車内に入ってくるメカニカルノイズが多いのにも驚かされる。クラウンというモデルは1955年の初代デビュー以来、タクシーやハイヤーとしての需要のなかで、“プロドライバーに育てられた”といってもいいぐらい、独自な環境で育ってきたモデルであり、その静粛性の高さは日本車のなかでもトップクラスとなっていた。

 タクシー仕様は途中から、マークⅡ(X80系セダン)のプラットフォームを流用するクラウンコンフォート(小型タクシー版コンフォートもあった)となったのだが、クラウンセダンベースのタクシー車両に比べると、ずいぶん“うるさいなあ”という印象が目立ったのを覚えている。クラウンと言うクルマは静粛性の高いモデルという印象が強かっただけに、よけいに今回試乗してみるとノイズが気になってしまったのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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