「深海」「サーキット」「めまい」! 由来もさまざまな「青」が印象的なクルマ5選 (2/2ページ)

3)アルピーヌ ブルーアビス

 3台目は、1960年代~1970年代にWRCで大活躍し、もはや伝説となっていたラリーカーで、2018年に待望の復活を果たしたアルピーヌA110フロントマスクの特徴だった丸目4灯のヘッドライトや、ヒップラインに向けてなだらかに傾斜するラインなど、旧モデルを思わせるデザインにときめきます。

そしてブルーのボディカラーも、旧モデルからの特徴のひとつでしたが、新型には深い深い海をイメージした「ブルーアビス」が採用されました。スポーティかつ気品溢れるフレンチエレガンスの真骨頂といったブルーで、実はこのブルーアビス、フランスを代表するハイブランドであるエルメスも、代表作のバーキンなどにラインアップしている色なのです。

眺めていると、地中海のグランブルーが目の前に広がる妄想にふけってしまいそうですね。アルピーヌA110のブルーアビスは、30台限定色となっています。

4)BMW ミサノブルー

 4台目は、エンブレムにもブルーが使われており、昔からブルーのイメージが強いブランドでもあるBMWの、現行モデルに採用されているとても鮮やかな「ミサノブルー」。

見ているだけで、どこか素敵な海辺へとバカンスにでも出かけたくなるような色にも感じますが、じつはこのネーミングの由来はイタリア北東部・ロマーニャ州にある「ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ」。モータースポーツがお好きな人なら、Moto GPのサンマリノGPが開催されるサーキットと聞くとわかるかもしれませんね。このサーキットは、「イタリアのマイアミ」と称されるビーチリゾート、リミニにほど近く、吸い込まれるようなアドリア海のブルーと、古き良き石造りの街並みのコントラストがとても美しいのです。そんな名前がついたブルーだと思うだけで、ちょっと心がウキウキしてきそうですね。

5)プジョー ヴァーティゴ・ブルー

 さてラストの5台目は、販売店の名称が「ブルーライオン」となっていたくらい、同じくブルーにこだわりのあるブランド、プジョーの208に新色として登場した、「ヴァーティゴ・ブルー」。

つやつやとして宝石のような鮮やかなブルーなのですが、ヴァーティゴというのが日本語にすると「めまい」や「回転性めまい」という意味で、ダイビングで海に潜っている時にグルグルと目が回るような状態になることを指したりもするようです。そこから、「目の眩むようなブルー」という意味合いが込められているといいます。新世代プジョーは文字が浮かび上がって見える、未来的な「3D i-cockpit」が特徴でもありますが、その画面もブルーがベースになっていて、ブルー好きな人にはたまらない空間ではないでしょうか。

 というわけで、古来から青というのは稀少性が高い色だったようですが、技術のブレイクスルーによって、今では多種多様なブルーが開発され、目を楽しませてくれるようになりました。梅雨の時期こそ、ぜひブルーのクルマたちに注目してみてください。好みのブルーに出会ったら、心には青空が広がるかもしれませんね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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