いまクルマも「サブスク」が流行の兆し! 「オリジナル車」まであるサービス5つとその中身 (1/2ページ)

割安な手数料設定と手軽さがウケて一気に世間に浸透した

 サブスクリプション(通称サブスク)は、所有ではなく利用料を支払うクルマの使い方だ。所有を目指して分割払いする自動車ローンと違い、従来からのリースの形態と考えればいい。

 利点は、車両本体価格だけでなく、利用期間中の税金や保険料もあらかじめ支払金額に含め、それを月割りにするため、毎年5月末の自動車税の納税や、年に一度の自動車損害保険更新での支払いなどで、その月の支払額が増えず、年間を通じて月々同じ金額の出費が明確になることだ。

 国産自動車メーカーでは、トヨタの「KINTO(キント)」がもっとも名を知られているが、日産には「クリックモビ」、ホンダには「楽まる」といった取り扱いがあり、輸入車ではボルボの「スマボ」を言葉として耳にしたことがあるのではないか。

 リースは、米国ではかねてより日常的であり、国内でも企業の社用車などで利用されてきた経緯がある。それを一般消費者にも浸透させようと、サブスクリプションが動き出した。背景にあるのは、経済の低成長と、所得の伸び悩みにより、クルマに限らず生活に関わる様々な物や事について、割安な利用料で手軽にという消費行動が人々に定着しはじめたからだ。

1)トヨタ KINTO

 トヨタの「KINTO」は、トヨタ車のほとんどの車種に適用されるのが特徴だ。レクサスでもSUVを中心に選べる。ただしスープラは対象外だ。手続きは、ウェブサイト上で申し込みすることができ、納車は販売店で行うが、それまでの必要事項もウェブサイトや電話で済ませることができる。

 3年、5年、7年の契約期間から選べ、なおかつ契約期間の途中でクルマの乗り換えができる。独身時代、結婚、そして子育て、あるいは親の介護など、暮らしの変化によって車種を替えたいときに対処してもらえる。契約が満了したら、クルマを返却するか、再びKINTOを継続するかを選べる。

 また、「KINTO」にしかラインアップされていない専用モデルもあり、「KINTO」を利用しなければ乗ることができない。先日ラインアップされた「GRヤリス“モリゾウセレクション”」がまさにそれだ。

2)日産 クリックモビ

 日産の「クリックモビ」は、対象外となる区域もあるので要注意だ。東北や北陸、近畿や中国、四国、九州の一部で対応していない県がある。

 取り扱い車種は、軽自動車、コンパクトカー、SUV、ミニバンであり、スカイラインなどの4ドアセダンは対応していない。手続きはウェブサイトで行い、そのうえで、自宅に納車してくれるところがKINTOと異なる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

新着情報